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エンタメ通訳から学ぶ「使える質問力」(2ページ目)

世界的な俳優やアーティスト達と仕事をした経験を持つ、通訳の小林禮子さん。今回は、そこで培われた彼女のコミュニケーション術ををお聞きします。

執筆者:立川 亜美


ビジュアルイメージの出来る質問


ガイド:
どんなふうに質問をすると答えやすくなるでしょうか?

小林:
「どんな答えを求めているかがわかる質問」をすることが大切です。
たとえばインタビューを俳優さんにする時……。
日本人の俳優ならば「いい映画でしたね……」とマイクを向けられたら、「ありがとうございます。この映画は~~」と、もっと聞きたいんだと察して話を続けてくれます。しかし、ハリウッドの俳優は「Thank You」だけです。「日本のファンは、どうですか?」と質問されても「Great!」だけしか言ってくれません。

ガイド:
ああ、何気なくやっていますね~

小林:
日本語や日本の文化の良いところでもありますが、察して返事をしてくれることに慣れてしまうと、的確な質問をかけられないようになってしまいます。ビジュアルイメージが出来る質問をするといいと思います。

ガイド:
ビジュアルイメージが出来る質問というのは?

小林:
本にも書きましたが、歌手の久保田利伸さんがニューヨークに住みたい、と言ったという話です。多くの人は「どうしてニューヨークなの?」「なんで?」という質問をしていましたが、ニューヨークに住む友人はそれとは違い、とても具体的な質問を彼にしたんですね。

「どんなところに住みたいか」「予算はどのくらいか」という質問によって、彼は自分がニューヨークに住むイメージを抱くことが出来るようになり、ニューヨーク生活を実現することができたそうです。相手がイメージして答えられる質問をすることが大事です。

ガイド:
つい、理由を聞きたくなって「どうして?」と聞いてしまいそうになりますね。

小林:
理由がわかっていたら自分で説明すると思いますよ。言わないのは自分でも分からないからでしょう。
もし理由が聞きたいのであれば「ニューヨークで一番好きなところは?」「おいしいレストランがあるの?」というような具体的な質問をしていくと、理由を聞くことが出来るでしょう。

ガイド:
なるほど! 相手の答えを引き出す質問、本当に大事ですね!


●ガイドのまとめ
エンタメ通訳の聞き方・話し方
お話を伺った小林禮子の最新刊「エンタメ通訳の聞き方・話し方」でエンタメ通訳の現場をのぞいてください

外国人の方との仕事をしている小林さんは、日本と外国との上手にコミュニケーションをさせている人です。そこから見えてくる日本の文化の良さ、誤解されてしまう言い方は日常でも十分使えるものばかりです。
そしてスターも誰もみんな同じで、本当に成功している人ほど「自分は大したことない」と思っていると言っていました。これからグローバル化していくときに、上手にコミュニケーションが出来るためのヒントがありました。
小林さんが一番好きなエピソードとしてあげてくれたロバート・デ・ニーロがグリニッチ天文台に登るお話は心に沁みました。


今回、インタビューした小林禮子さんの最新刊「エンタメ通訳の聞き方・話し方」。彼女がお仕事で出逢ったスーパースターのエピソードや人生・仕事に役立つヒントが満載です。ぜひ、読んでみてください!


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