会話の基本とは?学校で習ったのは会話じゃない
上司や先輩と食事や飲み会のときは、観察したり情報を仕入れるチャンス!
「話す」「会話をする」とは、決して準備したものを声で言う、というものではありません。時の流れとともに、どんどんライブで進んでいくものです。そうなると、感想文は発表。朗読も会話ではありません。私たちは、会話を習ってきてない、という現実で「こんな感じかな」と我流で身につけてきたわけです。
私が開催しているセミナーの受講生も、「なぜうまく話せないのか」の原因がわからないという人が多いですが、それは教わってきたことが「会話」ではなかったからとも言えます。事前に書き起したものを発表するのならば、見直しや準備もできますが、会話はそうは行きません。とっさのやり取りが必要になります。だから難しいのです。
会話の基本1:苦手を克服するには、相手をじっと観察
あなたは誰とコミュニケーションする必要があるでしょうか? 上司、先輩、取引先、友人、家族など、人によって違いはあるものの、苦手だけどコミュニケーションの必要を感じている人がいますね。まず、その人を思い出してください。彼らのことをじっくりと観察することからはじめましょう。「話すのが苦手」と言っている人でも、誰に対してでもそうかというと、そんなことはないはず。必ず、こんな人ならば話しやすい、と感じる人はいるでしょう。苦手な人に、あなたは意識を向けないようにしていることはないですか? それでは、苦手な人とのコミュニケーションをとることは出来ませんよ、いつになっても……。
これから一週間または数回、相手と会っているときにじっくりと、その人を観察をしてください。こんなところがポイントです。
- 好きな食べ物や飲み物は何でしょう?
- 趣味はありますか? それはどんなことでしょう?
- 休みのときは、何をすることが多いでしょう?
- ここは人よりすごいな、と思うところはどんなところでしょう?
- 楽しそうに話しているとき、どんな話をしているでしょう?
飲み会のときに、どんなものを飲んでいるのか、を観察する。また、誰かに聞いてみるなどして、相手のことをリサーチします。相手に興味を持たなければ、どうやって会話を進めていいかがわかりません。もし、自分の趣味と同じだということが見つかったら、そこから共通の話で盛り上がります。情報収集を怠らないことです。
会話の基本2:とっさに話すトレーニング
話題を増やしておくには、ノートに書いておくと覚えていられます。日々の積み重ねこそが効果が出ます。
感想を聞かれたときに、どんな答えをしているでしょうか。「よかった」「面白かった」「すごかった」など、ひと言で終わらせてしまっては、会話になりません。「感想を聞かれると困ってしまう」という声を聞くことが少なくありませんが、それは事前に自分の感想をまとめていないからです。
みんなで話しているときに、「あっ、その話題なら話したいな」「言いたいことあるな」とふと浮かんでも、即座に会話に加われない。その瞬間に「なんて言おう……」と考えていては遅すぎます。どんどん話が進んでいってしまいます。そして結局何も話さずに終わる、ということに……。たとえ話しはじめても、何が言いたいのかまとまっていなくて、結局相手に伝わらない。「あ~何言いたいのかわからなかった……」と自己嫌悪に陥ってしまうことにもなりかねません。
日頃から、自分で言いたいことを意識してまとめておかないと、とっさには使えません。瞬間的に話すには、まず使える話として準備をしておくことが大切です。そのためにやるべきことは、自分への質問をかけ、どう感じて何を言いたいのかを把握しておくことです。
日々のトレーニングとして、下記の質問をかけ自分の意見をまとめておいてください。
- 一番気になったニュースはなに?
- この人面白いな、と思った人は?
- 最近、お気に入りのお店は?
- 自分だけしか知らない情報は?
- 最近、見た映画、読んだ本でよかったものは?
- いつも通っている道で、変わったと思ったことは?
- なるほど~、と感心したことは何?
- 最近、楽しかったと感じたことは?
やり方は、カードに質問を書いて一枚選びます。そこに書いてある質問に即座に答えます。大事なポイントは、「すぐ答える」ということです。会話は待ってくれませんから、とっさに話すことが出来るように練習しましょう。「間を作らずにすぐ話す」ということを意識してやってみてください。
毎日、どこかで見つかることや、一週間に一度くらいは見つかる話題かもしれません。必ずやっていくうちに、様々な視点から話題を見つけられるようになります。あなたにあった質問を、どんどん増やしていきましょう。
そして質問に答えるときには、「なぜそう思うのだろう?」「どうしてそう感じたんだろう?」と、さらに自分に問うようにしてください。自分の考えがまとまってきます。話したけど、何を言いたいのかわからない、ということがないように注意しましょう。
とっさに話が出来ない、という人は、まずは「会話」という「止まらずに言葉を紡いでいく作業」に慣れていくことをお勧めします。あなたの頭の中に、たくさんの話題が出来るようになれば、もっとたくさんの人と会話を楽しむことができますよ。
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