昔であれば仕事優先は当たり前。でも、今はそんなことを言ったら部下が離れて、辞めていく。かといって、仕事は甘いものではないし……。そんな悩み多き上司が「理解ある上司」になるためにはどうしたらいいんでしょう?
《CONTENTS》●もちろん、部下に休みは取らせたいけれど……(1P目)●仕事だから? 新婚だから?(1P目)●「理解ある上司」は仕事も人も理解する人(2P目)●部下は仕事をする機械ではなく人間です(2P目)
もちろん、部下に休みは取らせたいけれど……
部下から休暇の希望が出たときどうしますか? |
部下の山田さんから、休暇の希望を伝えられた高橋課長。「うーん」と考え込みました。ちょっと、高橋課長の心の中をのぞいてみましょう。
「年末は仕事が忙しくなるときなのに、まだ入社3年目でよくものんきなことが言えるな」
「かなり有給休暇がたまっているから、そろそろ取得させないとまずいかな」
「結婚したばかりなのに毎日忙しいから、奥さんを旅行に連れて行くつもりなんだろうなあ」
あなたも同じような場面に遭遇したことがあるかもしれませんね。休暇ではなく、残業する・しないというような場面もあるでしょう。
こんなとき、あなたならどういう対応をするでしょう?
仕事だから? 新婚だから?
ある人は、仕事第一優先でこう言うかもしれません。「年末は忙しい時期で、休みたくてもみんな頑張っていることは知っているだろう。考え直してくれ」
また、ある人は相手のプライベートの状況を考慮して、
「君は新婚だし、忙しい時期だけど仕方ないなあ。まあいいよ」
さて、あなたが普段しがちな対応はどちらでしょう? もちろんケース・バイ・ケースだと思いますが、おそらく、これまでの日本企業においては、前者のように仕事第一優先の対応が多かったでしょう。
有給休暇の取得率の低さ、残業時間の多さ、異議申し立てできない転勤命令など、社会人(企業人)になった以上は仕事が何よりも優先され、仕事人間であることが暗黙のうちに要請されていたのは事実だと思います。
そんな状況が崩れ始め、「なぜ残業しなければいけないんですか?」「有給休暇は権利ですから、完全消化させてもらいます」という社員も出てきて、上司は戸惑い、後者のような対応も増えているのではないでしょうか?
さて、どうすればいいのでしょう? 上司としては何が正しい対応なんでしょうか?
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