保全措置が取られていれば手付金は戻ってくる
売買契約時には手付金の保全措置が取られているか確認しよう |
売買契約時に売主に支払う手付金には、宅地建物取引業法で保全措置のルールが定められています。引き渡し前に売主が倒産した場合などにそなえ、未完成物件の場合は売買代金の5%(完成物件の場合は10%)を超える金額か、または1,000万円を超える手付金を支払う場合は保全措置が義務づけられているのです。
手付金の保全措置が取られる場合は、保証機関の発行した保証書などを売主が買主に公布しなければならない決まりです。契約時にこの保証書を受け取っていれば、売主が倒産して建物の引き渡しが受けられなくなっても手付金は戻ってきます。
保全措置を取ってもらうよう交渉しよう
ただ、最近は保全措置を取らなくても済むよう、未完成物件の場合は売買代金の5%以内に手付金を抑えるケースが多くなっています。そのほうが自己資金を減らせるので買主にとっても買いやすく、売主も保全措置の手続きを省略できるからです。信用力の高い不動産会社であれば、保全措置がなくても心配いらないかもしれません。しかしマンションデベロッパーとしての歴史が浅く、会社の経営状態がよく分からない売主から購入する場合は、所定の金額以上の手付金を払ってでも保全措置を取ってもらうように交渉するほうが安心でしょう。
建物が完成してから買うのが確実
信用力の低い不動産会社の場合は、保証機関から保証してもらえないために保全措置が取れないケースもあります。そのような売主からマンションを買うのは危ないので、契約そのものを見合わせるほうがよさそうです。売主の経営状態には不安が残るものの、どうしてもそのマンションがほしいという場合は、逆に手付金の額をなるべく少なくしてもらうように交渉してはどうでしょう。売主が仮に倒産して引き渡しが受けられなくなっても、少額の損失ならあきらめもつくかもしれません。
とはいえ、せっかく契約したマンションが手に入らない事態はなんとか避けたいものです。もし売主の信用力が不安なら、建物が完成するのを待ってから契約するのが確実でしょう。今の市況から考えると、完成前に完売するマンションはそれほど多くないと思われますから。
【関連記事】
契約は重要事項説明書をじっくり読んでから
重要事項説明書の読み方(お金編)