買うときの税金や住宅ローン控除などを優遇
200年マンションを買うと税金が軽くなる(写真と本文とは関係ありません) |
■長期優良住宅向け優遇税制の内容 (2010年3月31日まで)
○登録免許税の税率を一般住宅特例より引下げ
・所有権保存登記:0.1%(一般住宅特例:0.15%、本則:0.4%)
・所有権移転登記:0.1%(一般住宅特例:0.3%、本則:2.0%)
○不動産取得税の課税標準(評価額)からの控除額を一般住宅特例より拡大
・1,300万円控除(一般住宅特例:1200万円控除)
○新築住宅に係る固定資産税の減額特例の適用期間を一般住宅より長期間設定
・戸建て:5年間1/2(一般住宅特例:3年間1/2)
・マンション:7年間1/2(一般住宅特例:5年間1/2)
※1戸当たり120m2相当分まで
また現在、国会で関連法案が審議中の2009年度税制改正では、住宅ローン控除の控除率を一般住宅より0.2%高い1.2%とし、10年間の最大控除額を600万円と、一般住宅より100万円上乗せする予定です。さらに住宅ローンを利用せずに長期優良住宅を買うケースでは、建築費や価格の上乗せ分(上限1,000万円)の10%、つまり最大100万円を所得税から控除できる「投資減税」の制度も創設される見込みです。
マンションデベロッパーは供給に及び腰?
国が音頭をとって鳴り物入りでスタートする長期優良住宅ですが、課題もいくつか残っています。まず長持ちする住宅を建てるために、新築時にどうしても工事費が増えてしまうことです。買う人の負担を抑えるために税制優遇などが受けられるわけですが、工事費の増額分がすべてカバーできるわけではありません。フラット35を借りて長期優良住宅を買う場合は、返済期間を50年に延ばせる「フラット50」も導入される予定です。とはいえ、返済期間が長くなると支払う利息が増えるので、長い目で見るとかえって買う人の負担が増えてしまいかねません。
さらに最大の課題は、実際に長期優良住宅がどれだけ供給されるのかという点でしょう。特にマンションは市況が悪化していることもあり、デベロッパーがあまり積極的ではないようです。2008年に行われたモデル事業の募集でも、手を挙げたのは一戸建てを供給するハウスメーカーや工務店が大半で、マンションの事例は数えるほどしかありません。
いずれにしろ、長期優良住宅が市場に出回るのは今年の夏以降となります。200年マンションが今後のスタンダードになるのかどうか、しばらくはデベロッパーの対応を見守る必要がありそうです。
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