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ソリューション・フォーカスアプローチに学ぶ 2 部下の「できる感」を高めよう(3ページ目)

前回に引き続き、ソリューションフォーカスコンサルティング代表の青木安輝さんに、上司も部下も楽になる新しい考え方、ソリューション・フォーカス(解決志向)・アプローチについてお聴きしました。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

大きな一歩より、「できる」小さな一歩

――さきほどなるべく小さな行動目標にするというお話がありましたが、部下にあまり期待してはいけないということですか?
青木:それは違います。部下に期待するからこそ、確実にできる小さな行動を与えるんです。さらに大きなものにつながっていくと期待するからこそ、安心して小さな行動を与えることができます。確実にできる小さい行動はとても積極的な意味を持っています。

――ソリューション・フォーカスは、従来の上司の考え方に大きな変革をもたらしそうですね。
青木:上司の考え方というより、ビジネスで交わされるコミュニケーションのほとんどが問題に焦点を当てています。例えば、社内で流れている文書を読んでみてください。ソリューション・フォーカスの視点から書かれているものはほとんどありませんよ。

例えば、会議の案内にしても、「わが部の抱えている問題点を徹底的に分析し、課題を明確化する。そして、課題克服のための行動計画を策定する」なんていう文章が多くありませんか? こういった案内を読んで、変なことを言っているとは思いませんよね。

それほど問題志向というのは根深いものなんです。そして、それだけソリューション・フォーカスの可能性は高いといえます。

あなたはすでにできています

――考えてみれば、自分自身の思考パターンやコミュニケーションパターンもほとんどが問題志向になっています。これをなんとかしなければいけませんね。
青木:今の言葉自体が問題志向であることに気づいていますか? 「自分はできていない。なんとかしなければ……」という時点で「できる感」を減らしてる感じってありませんか?

こういうことを指摘するのも問題志向かな(笑)「そんな風に気づかれたらソリューション・フォーカスは簡単にできますよ!」くらいのことを言う方がソリューション・フォーカスっぽいですね。

――確かに……。問題志向ってけっこう根深いものですね。
青木:そうですね。でも深刻に考えなくていいんです。問題志向に陥っていると気づいたところで、ソリューション・フォーカスに戻せばいいだけです。「うーん」と腕を組んで唸っていたり、なにか苦しい状態が続くようであれば、問題志向にはまっている可能性が高いです。

そんなときは、いくつかご紹介したやり方も参考にしながら、ソリューション・フォーカスに戻してください。それを続けていけば、自然と使えるようになってきます。ソリューション・フォーカスのセミナーに出た人は、自分自身に対して承認を与えられるようになったと言う人も結構いますよ。

――そういわれると気楽になってきました。もうできているところはあるんですよね。
青木:そうなんです。ソリューション・フォーカスは仕事も人生も楽にしてくれます。
――ありがとうございました。

【関連サイト】
■ソリューションフォーカスコンサルティングのサイト
■「ソリューション・フォーカスアプローチに学ぶ 1――問題ではなく解決に焦点を当てる」
【編集部おすすめの購入サイト】
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