キャリアプラン/キャリアプラン事例

「ビル再生王」不遇の時代 堀口智顕氏後編(4ページ目)

ビル再生のリーディングカンパニー、サンフロンティア不動産堀口智顕氏の後編。バブル崩壊直前に独立した堀口氏は、厳しい市場環境の中で苦戦を強いられる―――。

執筆者:角田 正隆

人生を変えた3人の師との出会い

3人の師から多くのヒントを学んだ

それから堀口氏は「経営の原則とは何か」という永遠のテーマを探究するため、著名な経営者たちから経営論を学び始めた。

幼少時代から物事の原理原則への探究心のある堀口氏だったが、小学生時代にはこんなエピソードがある。小学校1年生のときに始めて堀口家にテレビが入った。当時から某総合電機メーカーの有名な「大きな木」のCMが流れていたが、堀口は「すごい“根っこ”だ」と、その木を支える「根」に興味を持ったという―――。

最初に影響を受けたのが、イエローハットの創業者鍵山秀三郎氏。毎朝、自分の会社のみならず、周辺の近所まで清掃することで知られている同社の哲学に感銘し、堀口氏も毎朝着替え持参で出勤し、汗だくになって掃除をするようにした。「自転車に乗って近所を営業し、歩道に自転車を止めていることへのせめての罪滅ぼし」と考えた。

ショックを受けたのは、東日本ハウスの創業者中村功氏が訴える「経営とは社員を守ること」という教え。これには「社員をうまく使ってナンボ」という自らの考えを180度転換せざるを得なかった。

そして堀口氏の意識改革にとどめを刺した人物が、京セラ創業者の稲盛和夫氏。稲盛氏は京セラという日本を代表する企業のトップでありながら、「利他の心」を持つ大切さを盛和塾という私塾を創設し、多くの経営者に教えていた。これは「利己」でしかなかった堀口氏にとって「人生の大転機」となった。今でも堀口氏は盛和塾に足繁く通い、稲盛氏の教えを忠実に守っている。


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