キャリアプラン/キャリアプラン事例

「ビル再生王」サンフロンティア堀口社長(4ページ目)

中古ビル再生に挑むサンフロンティア不動産の堀口智顕社長は、27歳までカフェの店長を務めていた。そこからなぜジャスダックに上場する不動産会社社長になったのか?

執筆者:角田 正隆

ものづくりへの情熱

経営哲学からの人づくり―不動産再生のサンフロンティア不動産

また幼少のころから、建築・不動産の世界を意識する機会が少なくなかった。父親が竹細工職人だったため、生まれつきものづくりに関心があり、親戚の大工に建築現場を見せてもらったこともある。建物が強度を増すための梁などの力学的な原理を知り、建築の世界に興味を持つようになっていた。

その後、横浜に住む親戚が訪ねてきたことが、建築を職業にすることを強く意識させた。父のいとこに当たるその人物は、測量事務所を営んでいるという話を聞き、「こういう仕事もあるんだ」と教えられた。都会で事務所を開いて活躍する親戚が、堀口少年にとってロールモデル(目標となる人物)になった。「クリエイティブなことが好きだった」という少年は、いつしか建築士を将来の夢として憧れていた。


アルバイトからカフェの店長へ


ところが大学受験に失敗して、予備校に通うため初めて上京すると、カフェのアルバイトをみつけ、その華やかな世界に魅了されてしまう。翌年、大学には入学したものの、もっぱらアルバイト中心の生活を続ける。調理師の免許を取り、ちゅう房を任されたことが、責任感の強い堀口氏の意欲を駆り立てた。

「キャベツの千切りを細かく刻む」といった細かい工夫を重ね。ユニークなメニューを考えて、お店を盛り立てた。ドリアとサラダにコーヒーをセットした550円のランチメニューが売れに売れたり、ソフトクリームを使ったパフェで大ヒットを飛ばした。

しかしそれが逆に堀口氏に、飲食業の難しさを痛感させることになった。せっかくヒットメニューが生まれても、売れ過ぎてしまうと調理がおろそかになり、季節が変われば夏に大ヒットしたパフェも売れなくなる。栄枯盛衰が激しい飲食業界を見て分かる通り、常に新しいアイデアを出し続けねばこの世界は生き残れない。


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