キャリアプラン/キャリアプラン事例

希望をつかむ「120%理論」 小室淑恵さん(2ページ目)

先日初出産を終えたワーク・ライフバランス小室淑恵社長のビジネス哲学、プレゼンテーション技術、「憤りリスト」という独自の困難克服法をご紹介します。

執筆者:角田 正隆

ワーク・ライフバランス
新会社ワーク・ライフバランスのロゴマーク「仕事と生活を両立できる社会を目指す」

営業はプレゼンが鍵を握る


―――資生堂時代、営業としてかなりの成績を残したと聞きました。ぜひ、その秘訣を教えてください。

小室:営業は、自分と相手の「ウィン・ウィン」の関係を提案するプレゼンテーションが、重要な鍵を握っていると考えています。「お願いします、買ってください」というような「お願い営業」は「じゃあ、値引きしてよ」など、相手からも無理なお願いなどをされるなど、結局双方にメリットがなくなってしまうのです。

プレゼンで自分にプラスになると理解して頂いたたうえで、自発的に買ってもらうことが大切です。すると買った商品を相手が進んで活用して、売り上げアップにもつながります。そうしないと1回目はお願いに応じて買ってくれても、2回目以降が続きません。それでは数字も大きく伸びないんです。

私はまず、ヒアリングによってお客さまの考えている「現状の課題」を抽出し、危機感を共有します。そしてそれが解決された幸せな「未来予想図」を語り合い、ビジョンを共有することから始めます。それから、幸せな未来と現状を結ぶ解決の道筋を、どのようにだどってゆくべきか説明し、そのために必要な商品・サービスの提案を盛り込んでいきます。

こうしてお互い何をすべきかが合意できれば、一方的な上下関係ができることもなく、課題の解決のために、お客様自身が努力するべきことをやっていなかったときなどには、「そうじゃなかったですよね」とコーチング的に助言できるようにもなるのです。

営業の仕事がつらいと感じられる方も多いと思いますが、商品に自信がなく、相手にお願いして買ってもらっていると思うとよけいつらいと思います。お客さまの課題を解決するための提案であることを認識することができれば、相手とウィン・ウィンの関係を築くことができるので、精神的にも全くつらくなくなると思いますよ。


―――プレゼンは技術的なテクニックではないということですね。

小室:相手と現状を共有し、夢とビジョンを定め、そのプロセスを説明するのがプレゼンです。現状把握のために話を聞くと、最初はグチから始まるかもしれませんが、そこから「現状を変えるには何をすべきか」まで引き上げます。実際のところその道のりは、簡単なものではありません。だからこそプレゼンが必要なのだと思います。


  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 7
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます