キャリアプラン/キャリアプラン事例

花形部門への異動 シンプレクス金子英樹氏(2ページ目)

入社したら予想もしない部署に配属―――。そこから這い上がり、花形部署への異動を果たした、シンプレクス・テクノロジー金子英樹社長の経験談。

執筆者:角田 正隆

ステップが大切

今の仕事が完璧でなければ、誰も自分の話を聞いてくれない 

デリバティブの帝王と呼ばれたソロモン・ブラザーズの中でも、その部署はまさに花形。部門別採用が基本の外資系企業では、簡単に部署異動もできません。

それでも希望する仕事を諦めなかった金子さんは行動を開始します。まず、やりたい仕事をするために必要な「数学」の知識を補うことにしました。ずっと文系だった金子さんは、高校生レベルの教科書を手に入れ、それをマスターすることから始めます。

次に、別の部署に移るにしても、現状の仕事が完璧でなければ、誰も自分の話を聞いてくれないと考えた金子さんは、情報システム部門でナンバーワンになることを目標に設定しました。当時それほど注目されていなかった中国人・インド人エンジニアを積極的に登用し、自分の仕事の多くを任せました。意欲的な彼らはどんどん新しい仕事を覚え、数年のうちに金子さんは部署の業務の多くを担当しながら、ほとんどの実務を部下に任せることに成功したのです。

そうして確保した空き時間に、金子さんは無料で社内の仕事を受注し始めます。独立採算制の外資系企業では、社内であっても仕事を他部署に依頼すれば、相当のコストを負担しなければなりません。

「トレーダーの人たちはお金に敏感ですからね(笑)。タダでいいと言ったら、喜んで手伝わせてくれましたよ」


>“タダの仕事”で大きな収穫を得る

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます