低下していくビジネス基礎力
若手ビジネスパーソンの仕事力の低下と格差がクローズアップされている。 |
コンピュータで言えば、OS(基本ソフト)に該当します。より専門的な実務能力はOSの上に搭載されているアプリケーション(業務ソフト)といえます。各100点満点で10項目ですので、全体として1000点満点です。この数字を変化を2004年~2007年までの推移(任意の組織集団で、25~39歳に実施でした経年比較)を見てみると、平均得点は順に、556→533→519→513とわずか3年間で約1割低下していました。
この結果を色々な方からの意見で総括すると、
・自分で考えない、判断できない
・指示されないと動けない
・簡潔でわかりやすい資料が作れない
・困難に直面すると投げ出してしまう
などに集約されます。
豊かな時代、ハングリー精神やビジョンや志が弱くなった結果として、情報収集能力やタイムマネジメント能力等が低下しているようです。目的・目標が明確であれば、その目的を実現させるために、感度の良いアンテナを高く張ります。同様に、時間の優先順位を決めることが出来るでしょう。
もう一つ、能力格差の問題も
もう1点、能力の格差が大きくなっている傾向にあります。中間層が薄くなり、上位グループと下位グループの二極化が進んでいます。更に、下位グループの比率が高くなっています。勿論、目的意識が高く、能力レベルの高い社員は今の時代でも存在します。逆に、目的意識が低く、能力レベルの低い社員が増えている傾向にあります。俗に言う、「シュガー社員」です。自分に甘く自立心に乏しい社会人のことです。
甘い社員が増殖した理由として、過保護な親に育てられた家庭環境の問題やゆとり教育の弊害もあるでしょう。個性を伸ばす教育に傾倒するあまり、職場での実績もなく、基礎が出来ていないにも関わらず、「自分らしさ」ばかりを追求する方も増えています。また、ネットによるコミュニケーション不足、終身雇用の崩壊も背景にあるでしょう。
ネットの世界では、気に食わない相手であれば、いつでも直ぐに、やりとりをする相手を換えることができます。でも、現実の社会ではそうはいきません。人間関係のトラブルに対処できないと、仕事に支障をきたすわけです。
終身雇用の崩壊は、ひとつの会社にしがみつく必要性を排除してくれました。但し、イヤなら直ぐ転職すればいいという、昨今の若者の風潮はビジネス基礎力を構築するためには改善しなければならないでしょう。
次のページでは、能力開発をどこから始めればいいかをご説明しましょう。