3.「ゴール」を具体的に描く作業をする
10年後の自分の理想像を具体的に描け! |
10年後の40歳、さらに前倒して、5年後、3年後というように、具体的に成功イメージを策定することはキャリア開発上最重要なのです。この成功イメージが具体的で明確になっていればいるほど、アクションプラン(行動計画)が策定でき、成功確率が高まるからです。
目的が明確になっていると、その実現に向けてエネルギーを集中投下でき、無駄なことを捨てることが出来るようになります。結果的に時間をやり繰りするのが上手くなります。この一連の流れはどんなジャンルであれ、一流の方々に共通する行動特性と言えます。
10年後のイメージですが、例えば、
・今の会社で課長(部下が10名)
・年収が1000万円
・結婚をして子供が二人
・家は多摩川沿いの4LDKの分譲マンション
・車は国産の高級セダン
・週末は家族団欒、趣味はゴルフやテニス、・・・
このように具体的で視覚的にイメージすることです。会社や仕事のみならず、家族や地域、趣味やスポーツなど、オンとオフをバランス良くイメージすることがワークライフバランス社会では必要です。
また、ゴールの設定で重要なことはストレッチしたイメージを持つことです。ストレッチとはジャンプすればぎりぎり届く地点のイメージです。現実的なイメージを持つと、そのイメージが実現する最大値となってしまうことになります。夢ではなく、ストレッチした目標設定こそがキャリアやスキルを高めるには重要であると肝に銘じて下さい。
4.「ゴール」に辿り着く方法を考える
ストレッチした目標や理想像が具体的に視覚化できれば、あとはそこに辿り着くために何をどの位(頻度や回数や期間および量)やるか、つまり、アクションプランを策定することになります。ゴールがきちんと「見える化」できていないと、具体的なアクションが策定できません。目標とアクションプランはセットです。卑近な例ですが、社会人になり、飲む機会が増え、定期的に体を動かすことをしなくなり、体重が入社時の68キロから80キロと12キロ増え、定期健康診断で中性脂肪や総コレステロール値が標準値を上回ったとします。そこで目標を次回の定期診断までに68キロに戻すこととします。1年間で12キロ落とすために、1ヶ月では1キロの減量という短期目標となります。1ヶ月を4週間とすると、週で平均250グラム落とすという計算になります。このように考えれば、実現可能な目標となります。
毎日の状況を視覚化するために、体重計に乗るという新しい行動が生まれます。体重を落とすにはインプット(摂取量)とアウトプット(排出量)の関係で決まるので、インプットを減らし、アウトプットを増やす具体的な行動を考えることになります。
例えば、いままでよりもご飯の量を10%減らす、ゆっくり食べる習慣を身に付ける、消化に悪いので夜10時以降は食事をしないなどのインプットを意識した行動習慣が考えられます。そして、万歩計を身に付け1日1万歩の励行、週2回スポーツクラブで汗を流す、便秘予防で野菜を多く摂取する、バナナなどの繊維質の高い果物を毎日食べるなど、具体的なアクションプランが出来ます。
5.最後は、行動に移し習慣化する
最後は4の手順のアクションプランを無骨に行うのみです。素晴らしい計画があっても、実行に移さない限り、その人のスキルは開発されません。キャリアも然りです。まずは新しい行動を行う。3日坊主にならぬよう、強い意志を持って取り組んで下さい。とはいうものの、自己管理の世界なので、よほど意志が固くなければ思うようにはいきません。はじめは100%でなくでも十分です。60%出来れば及第点、80%出来れば合格点というようなイメージで行うことが続けていく秘訣です。また、人に宣言することも一手ですね。
1週間、1ヶ月、3ヵ月と習慣化できればOKです。実は習慣化された行動そのものが「能力」と言えます。そこに是非とも気づいて下さい。この感覚がわかるようになればしめたものです。計画をきちんと実行できたということは小さな成功体験です。小さな成功体験を積み重ねていく先に、大きな目標の実現、つまり理想像に到達するということになります。
30歳はキャリアの節目です。若手リーダーとして忙しい毎日かと思いますが、会社での短期目標に加え、理想の自分に向けた長期目標をきちんと策定し、その実現に向けたアクションプランを計画・実行していくことが素晴らしい40代への扉と言えます。
ただし、プラン通りに行かないのが人生。突然の人事異動、体を壊し長期の戦線離脱、家族の介護を余儀なくされるなど、自分の意思以外での予測不可能な出来事です。こういう時は、ありのままの状況を受け入れ、節目と捉え、ゴールとアクションプランをリセットすることも必要です。