▲MBA留学は「人生見直し」の期間だった |
MBA留学の2年間で結論は出せなかったが、日本へ帰国して1年半後、銀行を辞め、レゾナンスを立ち上げた。その後、ユニークな事業が注目され、一躍「時の人」に登りつめることになる。
近藤さんの教訓「異質に向き合え!」
同じ仲間と同じように過ごすのは、とても居ごごちがいいことだ。サークルや行きつけの店、ふるさとなどもそうだ。ただ、居ごごちはよくても新しいものを生み出す環境ではない。なぜなら「そのままでよし」とする環境だからだ。近藤さんの名に「ロバート」と付くのは、両親のアメリカ駐在中に生まれ、「正純じゃ呼びづらい」と、近所のロバートさんが名前を付けてくれたからだ。その後も幼少期をイギリスなどで過ごし、本格的に日本に住んだのは高校生からだった。海外にいる頃は、人種も言葉も違う友達から、多様な価値観に触れる機会が多かったが、日本に戻ると、いつの間にか考え方が周囲と同質化していた。
MBA留学して容赦なく意見をズバズバと述べるクラスメートと出会い、日本で培った自分の考え方に鋭い“突っ込み”を入れられてしまう。その場で「あいつは外国人だから、自分と考え方が違う」と切り捨ててもよかったかもしれない。
しかし近藤さんはシンガポール人カルビンの疑問に真正面に答えようとした。その結果、自分の本質や「やりたいこと」が明らかになり、最終的に銀行を辞め、独立することを選択した。
居ごごちのいい「同質社会」を飛び出すのは、しばし苦痛を伴うかもしれない。しかし、そこから1歩飛び出し異質とぶつかり合い、自分をあらためて見直すことで価値観が鍛え上げられる。現状に甘んじてはいけない。
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