「ロバート、君は何をやりたいの?」
▲カルビンの鋭い指摘に、思わず言葉が詰まる Vitzレースに参戦している |
1人ひとり自己紹介を兼ねて「ビジネススクールに来た目的や将来の夢」を語っていた。「日本で銀行員をやっている」という近藤さんに対し、シンガポール出身のカルビンが噛み付いてきた。
「ロバート、君は何をやりたいの? 銀行員って何が楽しいんだ? 将来、何がやりたくて銀行員をやっているんだ?」
と矢継ぎ早に質問してきた。彼に対し近藤さんは、
「興銀は、鉄鋼会社を合併させて新日鉄を設立したり、山一証券の苦境を救うなど、日本の産業政策に大きな役割を果たした銀行なんだ。自分も日本の産業高度化に貢献したいと思っている」
「ロバート、全く意味が分からないよ。『日本の産業高度化』が君の人生に一体どんな関係があるの? それのどこが君にとってエキサイティングなんだ?」
「・・・・・・」。近藤さんは言葉に詰まった。
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