目標を刻む「名刺」
■『名刺』グループのスローガン、社是などが書かれている |
ちなみに「G1000-2008」は、2008年にグループ全体で1000店舗を出店するという目標のこと。初めて見た人は意味が分からないから、名刺交換するときに自然と話題になる。そのとき社員はあらためて、グループの目標や社是を自分に再インプットすることになる。名刺に書かれた数文字が、何気ない名刺交換を「夢を宣言する場」に変える。
書類1つない「机」
■『経営目的』社長室や応接室など目に付くところに掲げられている |
ところが渡邉氏の机の上には、一枚の書類すら置かれていないのだ。
机が整理されると、思考も整理される。ある人に「仕事がはかどらないなら、机の上をチェックしろ。きっと乱雑になっているはず」と言われた。まさに図星だった。1つのことに集中しようにも、目に入る別の案件が気にかかる―――。
渡邉氏にそんなロスはない。過去はきれいに「リセット」され、新たな案件に集中する体制になっている。氏のポリシーは「その日にやることはその日に済ます」。それをまさに実践する姿が机に表れている。
その日に済まなかった仕事は後に長引き、いつまで経っても未来に目を向けれない。「未来にベストを尽くすには、徹底的に過去をクリアにせよ」何一つ置かれていない机は、そんなことを訴えているようだった。