ブラケットの取り付け位置は? 立面図・展開図なしで選べない!
写真1.ブラケットの取り付け位置は?
住宅照明ではあまり使われてない器具と思われがちですが、たとえば洗面の鏡照明やバスルーム、外玄関、階段照明で多く見ることができます。ブラケットはおもに白熱灯と蛍光灯用がありますが、蛍光灯照明主体の日本の住宅照明で、何故かブラケットは白熱灯が多いです。しかし、最近は白熱電球がLED電球に代替されることも多くなっています。
ブラケットを設置する場合、建築設計のできるだけ早い段階で取り付け位置を決めなければなりません。当たり前のことですが、給電できる場所がなければ器具は取り付かないからです。したがって図面を見て位置を決めるわけですから、慎重に行わないと実際に取り付いたときに問題が生じる可能性があります。
ここで、良く起こるブラケットの失敗は取り付け位置が例えば家具や建具、鏡、絵画などとの関係が悪くて、見た目でバランスの悪い空間を作ってしまうことです。さらにそのような見かけ上だけではなく、照明効果にも問題が生じます。ブラケットを選ぶ場合、一番大切なことが取り付け高です。多くの人は照明器具を選定して配灯する場合、平面図や家具配置図で行います。これらの図面には高さの情報がありません。それでは適正に配灯することはできません。
器具の取り付け高さは立面図、もしくは展開図に表記されます。それらの図面のなかでも窓など開口部だけではなく、鏡や絵画、壁に備え付け、もしくは壁に接する家具などが表記されている図面でブラケットの取り付け高さを決めることがより望まれるのです(図1)。
図1.壁付け器具の取付位置の目安
ブラケットの取り付け位置や選び方次第ではこんな失敗も!
ここで幾つかの失敗事例や問題を紹介します。1.扉とぶつかる・扉の陰になる
・扉の横にブラケットをつけたら、扉を開けたときに器具がぶつかったり、扉の陰になってしまった。
2.高さのバランスが悪い
・ベッドの両脇にブラケットを付けたが、取り付け高さが高すぎてバランスが悪い。
・就寝前の読書で本の誌面が暗くなった(写真1)。
3.出幅が大きすぎた
写真2.横顔も良いデザインのブラケット
- カタログ写真で良く見えた器具を廊下につけたら、器具の出幅が30cm近くあって、圧迫感を感じた。
- カタログの器具写真は正面から撮られたものが多く、廊下などの歩行視点では器具の横の姿(横顔)が見えるためイメージと違った。
- たまたま選んだ器具の横顔はランプが直接見えて、まぶしかった。写真2は横顔も良いデザインの例です。
4.ランプ交換・掃除がしにくい
階段途中の壁に取り付けたが、ガラスコップタイプを選んだため、ランプの交換や清掃が難しかった。
5.ランプが直接見えてまぶしい
写真3.開放型のブラケット
上下が開放型のデザイン器具を階段につけたところ、2階からの見下ろしの視点でランプが見えまぶしかった(写真3はランプが直接見えるが、光がスポット的なため階段を降りる視点でまぶしさを感じない例)。
写真4.鏡につけたブラケット
鏡につけたブラケットは器具が光って見えるデザインで、目線近くに付いているためまぶしかった(写真4)。
6.照明対象と位置が合わない
写真5.絵画の位置と合わないピクチャライト
ピクチャライト(ブラケット)の位置と絵画の位置があっていないため、光が上手く絵を照らしていない(写真5)。
以上のような失敗や問題が生じないよう、器具を選ぶときは器具のデザインと取り付け高さの関係を特に注意しましょう。