どの家庭でも、日常生活の中でごく当たり前に使われている「照明」。毎日の暮らしに欠かせない器具でありながら、あまりに身近なため、気にしていない人が多いかもしれません。しかし、電気を使う設備機器である以上、安全に利用するための配慮が必要です。

例えば、「照明はランプさえ交換していれば問題なし!」なんて思っていませんか? 実は照明器具には寿命があり、長期間使用すると経年劣化により発煙事故などが起こる可能性もあるのです。ご家庭の照明器具を今すぐ点検してみましょう。

照明器具も家電製品のひとつ。寿命は8~10年を目安に

ペンダント

ダウンライトやペンダントライトをはじめ、さまざまなタイプのLED照明器具が存在する

照明器具を「ランプを交換すれば、いつまでも使える」と考えるのは誤りです。他の一般的な家電製品と同じように、一定期間が経過したら何の問題がなくても、一度点検してみることをおすすめします。なぜなら、照明器具を設置して8~10年経つと、外観に変化や異常がなくても、内部の劣化が時間の経過とともに進行しているからです。

では、照明器具はなぜ劣化していくのでしょうか? 日本で稼動している照明器具は、約9.5億台といわれています。その内訳は、効率のよい蛍光灯が約6億台。次いで白熱灯が2.8億台など、この二つが多くの割合を占めています(2008年度ベース 一般社団法人日本照明器具工業会調べ)。

稼動している照明器具の約6割を占める蛍光灯に代表される放電灯器具では、放電を安定させるため「安定器」を使用していますが、この安定器などの部品内部が経年使用により劣化していくのです。劣化が進むと、機器自体を交換しなければなりません。交換時期の目安は使用環境や点灯時間にもよりますが、およそ8~10年(※1)、耐用の限度は15年としています。

※1:周囲温度30度以下、1日10時間点灯、年間3,000時間点灯の場合(周囲温度が高い場合や、 点灯時間が長い場合には交換時間が短くなることも。JIS C 8105-1 解説による)

劣化するとこんな事故も……

照明の寿命を過ぎて使い続けると、内部の安定器から煙が出る可能性も

照明の寿命を過ぎて使い続けると、内部の安定器から煙が出る可能性も

しかし、「うちは毎日24時間点灯しているわけじゃないし」や、「時々しか使わない場所の照明は大丈夫でしょ」と考えている人も多いのではないでしょうか?

確かに、照明器具の使用条件や環境により大きく寿命は異なります。それでも、器具内部に使用されている安定器やソケットの劣化により寿命を迎えるのは、1日10時間、1年3,000時間点灯した場合で10年と考えられています。これほど頻繁に使用しなくても、目に見えない部分で劣化が進行していることもあります。こういったことから日本照明器具工業会では、日々の照明を安心してお使いいただくため、照明器具の点検・交換の目安を10年としているのです。

劣化した照明器具を使い続けるとプラグやコードが熱くなったり、焦げくさい臭いがすることも。さらに、内部の安定器から煙が出たり、内部のインバータ(電力変換装置)から蒸気が出ることがまれにあります。大きな事故にならないうちに、買い換えるなど適切な対応をぜひしてください。安全や省エネ、地球環境のためという観点からも、長期間使用して寿命が近い照明器具は早めに点検し交換することをおすすめします。

次ページでは、照明器具の点検や交換について具体的にお話をしましょう。