リビング・ダイニングとの調和を考えた光写真1.自然と人が集まる開放的なダイニングキッチン。設計はTKO-M.architectsキッチンの照明では、料理をつくるためという機能的な光とともに、部屋全体の雰囲気を考える必要があります。「家族の団らんは華やかなキッチンから」でもご紹介していますが、アイランド型やカウンター型など開放的なキッチンであれば、なおさらリビング・ダイニングとの調和が大切になります。例えば、場所ごとの明るさが極端に違うと、暗い部分が明るい部分との比較でより暗く見えてしまうので、明るさのバランスを考えて設計をします。また、リビング・ダイニングは電球色の暖かい光なのに、キッチンは全般照明も白い光というのでは、部屋として見たときに違和感があるでしょう。調理するときだけに使用する手元灯は白い光でもかまいませんが、全般照明用の光源は色温度を合わせて考えた方が良いと思います。ところで、JISの照度基準では、調理台・食卓は200lx~500lxの局部照明を、全般照明で50~100lxとされています。視力が弱まっている高齢者が使用するのであれば調理台・食卓で500~1000lx、全般照明は基準値の明るめの数値を参考にすると良いでしょう。壁に面したL型やI型のキッチンでは、壁面や吊り戸棚の下に手元灯を設置するのが一般的ですが、手元灯をつけられないアイランド型や、垂れ壁のないカウンター型ではどうすればよいのでしょうか。次のページでは実際に設計を行った「照明計画実例」をご紹介しています。123次のページへ