不動産売却・査定/買い換えの基本とテクニック

成功する家の買い換え基礎講座<4> 「買い換えローン」は賢く使う!(2ページ目)

買い換えの最重要課題の資金調達をご説明します。銀行によって特徴が違います。また、買い換えローンで、今のローンの返済しなければなりません。その時の抵当権の抹消の注意点など。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

■住宅ローンを返して抵当権を抹消

まず売れたときに手配するローンの完済と抵当権の抹消です。ローンの完済とは、借りていた元本をいっぺんに返すことです。(一括返済とも言います)また、最初に借りた時に、銀行は目的の物件に抵当権を設定してローン債権を保全しています。返済が滞った時に抵当権を実行して物件を強制的に処分して(競売)、貸したお金を回収するための登記です。その抵当権登記を消すことを「抹消」(まっしょう)と言います。

ローンを完済すれば、当然に銀行は抵当権を抹消してくれます。が、問題は払う側とそれを受取る側の時間差です。大きなお金ですから振込みを実行しても、債権者の銀行が受取りましたと認めなければ抹消の書類が出てきません。抹消の書類が出てこなければ、新規の買い換えローンの抵当権の設定ができませんから、新・ローンも実行されません。ですから買受人が支払うお金を持って待っていても、決済はできませんから、売主の債務不履行で大変なトラブルになります。

一般の銀行等の金融機関なら事前に連絡しておけば、引渡し、決済の当日に現金または振込みと引き換えに抹消書類をもらえるのが普通です。仲介業者にも簡単に手配できる事なので、大丈夫です。


■公的ローンの抹消には周到な準備が必要

ただ借りているのが公庫とか公的資金だと、相手はお役所なので多少こちらで気を遣う必要があります。返済資金をどこに振り込むのか?完済と同時に抹消書類がもらえるのか?あるいはどこかに取りに行かなければならないのか?事前に正確に聞き取って段取りする必要があります。中には完済の確認後の翌日でないと抹消書類を出さないとか意地悪されて、自己資金から立て替えて事前に返済をせざるをえないケースもありました。くれぐれもご用心下さい。

家を買ってくれた人からお金をもらって、すぐにそれを自分のローンの完済に充て、次には自分の新たな住宅ローンを出してもらって、今度は自分が新居の代金を売主に払わなければなりません。この二つの作業(売ることと買うこと)が一緒に、できれば同日に行われなければ、仮住まいの必要が出てきます。資金的にはつなぎローンの心配です。

つなぎローンとは、自宅を売った手取り金が現金で入ってくるまでの間に、銀行から調達するもう一つの超短期のローンです。超短期なので、物件の評価とは別枠で出ます。今回のような買い換え時の「つなぎ」と公的資金を利用するときの「つなぎ」もあります。買い換え時の「つなぎ」は家を売った代金が遅れて入ってくる場合に借りる立て替え資金です。つなぎローンと住宅ローンで、合わせて自宅の抵当権を抹消し、自宅の代金が入ってきたらつなぎローンを返す、という2段階で決済をする場合があります。
【関連サイト】住宅ローン
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