キッチン/キッチン収納

家電収納、食器棚etc.キッチン周辺ユニットの選び方

システムキッチンのプランには、主な機能を組み込んだ「キッチン部分」と収納などを目的とした「周辺ユニット」で構成されたタイプが多くみられます。「周辺ユニット」には、さまざまな種類があり、選び方や組み合わせ方によって、キッチン作業のしやすさにも影響するもの。ここでは、メーカー商品の特徴やプランニングの注意点をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

キッチン部分+周辺ユニットで構成されたプランも多い

汚れ防止、抗菌、防カビ性能を持つクロス。[77857]

シックなインテリアに馴染むデザインのキッチン。 [リシェルSI]  LIXIL 


システムキッチンを取り入れたプランには、加熱機器(コンロやIHクッキングヒーター)やシンク、水栓金具などの主な機能を組み込み、基本的な収納スペースを確保した「キッチン部分(フロアキャビネット・ユニット)」と、食器や家電製品などの収納を目的とした「周辺ユニット・周辺部・収納ユニット・カップボード部(以下周辺ユニット)」で構成されるケースが多くみられます。

各メーカーからは、収納するモノや使い勝手に配慮した、さまざまな「周辺ユニット」の提案がみられるので、プランや好み、予算に合わせて組み合わせることができるでしょう。

周辺ユニットを組み合わせるメリット

L字型にレイアウトし、作業台をダイニング側に設けて使いやすく。 [Lクラスキッチンundefinedプラン例 L型壁付け+アイランドプラン]undefined パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

L字型にレイアウトし、作業台をダイニング側に設けて使いやすく。 [Lクラスキッチン]  パナソニック エコソリューションズ


新築やリフォームの際には、「キッチン部分」のみを設置し、置き家具の食器棚やキッチンボードなどを取り入れるプランも考えられます。しかし、システムキッチンの「キッチン部分」と「周辺ユニット」を組み合わせることで、空間にまとまりが生まれるでしょう。

また、空間に合わせて高さや奥行を選ぶことができるので、無駄なスペースが生まれにくいこと、壁付けタイプであれば地震の際に倒れず安心なこと、などもメリットです。

多くみられるレイアウトはII列型やL字型など

「周辺ユニット」を用いたレイアウトとして、多くみられるのは、「キッチン部分」と「周辺ユニット」をII列型に平行に配したプラン。対面キッチンやアイランド型などで取り入れられるスタイルで、背面に設けることで、キッチン作業の動線も短く、動きやすく使い勝手もいいでしょう。

また、「キッチン部分」と「周辺ユニット」をL字型に設置するプランは、対面キッチンでも壁付タイプのキッチンでも適するもの。その他、低めの「周辺ユニット」をダイニングとの間仕切りとして利用するケースもあるでしょう。

ダイニングやリビングまでコーディネート可能なタイプも

ダイニングとの仕切りにカウンターを。L字型に配したユニットの扉材がインテリアのポイントに。[ザ・クラッソ]undefined TOTOundefined https://jp.toto.com/

ダイニングとの仕切りにカウンターを。L字型に配したユニットの扉材がインテリアのポイントに。[ザ・クラッソ]  TOTO 

最近では、より開放的なキッチンスタイルが注目され、ダイニングやリビングとひとつの空間となるプランも多くみられるようになりました。食事やくつろぎの場と空間的につながることで、キッチンはインテリアとしての要素も重要となり、家具のようなデザインや扉材を揃えたシステムキッチンも増えてきています。

「周辺ユニット」も、「キッチン部分」と統一できるタイプはもちろんのこと、ダイニングやリビングに設置することを意識したデザインや機能をもったタイプもみられます。扉材も、デザイン性の高いものや半透明の素材を用いて圧迫感を抑えたものなどもみられ、すっきりとした印象の天井までの引戸も。また、飾り棚を組み合わせたり、照明に工夫を施すなど、見せることを意識したタイプも揃っています。

周辺ユニットのバリエーション

■食器・カトラリー収納 
高さのある収納を設けることで、食器もすっきりと収まる。 [ラクシーナundefinedundefinedトールパントリープラン 間口450mm機能充実タイプ]undefined パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

高さのある収納を設けることで、食器もすっきりと収まる。 [ラクシーナ  トールパントリープラン 間口450mm]  パナソニック エコソリューションズ
 

「周辺ユニット」には、まず食器棚としての機能が求められるでしょう。商品的には、高さや奥行などのサイズ、棚や引き出し、アミカゴなどが揃い、空間スペースはもちろん、手持ちの食器の数や種類に合わせて収納方法を選ぶことが可能。また、スプーンやフォークなどカトラリーなどの細かい収納アイデアの提案もみられます。

半透明の扉材を選べば、収納しているアイテムも分かりやすく、効率よく作業を行うこともできます。開閉スペースを取らない引戸タイプも多くみられ、天井までの大きな扉であれば、収納されているすべてを一目で確認することができるでしょう。

選ぶ際には、手持ちの食器やカトラリーの数や種類を把握して、どの程度のスペースが必要か、現状の不満点を挙げながら確認すること。キッチン作業をイメージしながら、棚や引き出し、扉などを選択することが大切です。

■家電収納  

家電を一ヶ所にまとめることで、使いやすさも高まる。[リシェルSI トールタイプ 奥行65cm系 家電タワー 蒸気排出ユニット用 スイング扉付]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

家電を一ヶ所にまとめることで、使いやすさも高まる。蒸気排出ユニット用 スイング扉付。[リシェルSI  家電タワー ]  LIXIL  

キッチンには、炊飯器、電子レンジ、トースター、湯沸かしポット、コーヒーメーカー、フードプロセッサーなど、多くの家電製品を収納することになります。 キッチン内に置くのか、ダイニング近くに置くのか、食事のスタイルや日々の動線を考慮して配置計画を立てることが大切でしょう。家族みんなが使いやすいか、幼い子供が誤って操作しないか、などにも配慮したいものです。

「周辺ユニット」には、炊飯器やポット、電子レンジなどをすっきりと納めることができるスペースを確保したものが多くみられます。使うときには引き出すことができたり、蒸気を排出できるような工夫があるものなどもあるので、使い方に合わせプランニングするようにしましょう。

■パントリー(食品庫)  
キッチン空間には、食品庫(パントリー)も必要なスペースです。米や酒、調味料や乾物類など、買い置きの食品や宅配の野菜などのスペースだけでなく、非常時のための水や缶詰なども収納しておくことも考えておきたいものです。

「周辺ユニット」には、トールユニットなどに食品を保存できるスペースを設けたタイプがみられます。食品の収納は、保存しているものが分かりやすいように 奥行は深くせず、低い位置に置くことが基本。空間によっては、取り出しやすいようにキャスターなどを用いたものを選んでも。高い位置になってしまう場合は、昇降機能を備えたタイプなどを検討してもいいでしょう。

■ゴミ箱スペース
ゴミの分別は、暮らす地域によって大きく変わるので、新しい土地に暮らすのであれば、キッチンプランの前に分別方法を確認し、必要なゴミ箱の数を把握しておくこと。勝手口やベランダなどに一時置き場を確保できるのであれば、室内には小さめのゴミ箱を置くスペースでいいかもしれませんが、間取りに よっては、大きめのゴミ箱をキッチン内に置く必要があるでしょう。

システムキッチンには、「キッチン部」のシンク下などに置く場合と、「周辺ユニット」にスペースを確保するケースがみられます。カウンター下に空間を確保したタイプ、キャスター付きのワゴンにゴミ箱を乗せ使い勝手を高めたもの、消臭機能を設けたものなど。オープンなものだけでなく、扉で隠すことができるようなタイプもあるので、キッチンでの動き方を考慮しながら選ぶことが大切です。

■飾り棚
見せる収納プランも増えてきました。食器や調理器具などを美しく並べることができるシェルフなどを取り入れることができる商品もみられます。

■カウンター・作業スペース
調理カウンターや家電置き場にしようできるカウンターを設けたユニットも揃っています。

ショールームで特徴をしっかり理解して取り入れたい

引き戸タイプは、場所も取らず、収納物も分かりやすい。[ザ・クラッソ コンフォートユニットundefined3枚引き戸]undefined TOTOundefined https://jp.toto.com/

引き戸タイプは、場所も取らず、収納物も分かりやすい。[ザ・クラッソ コンフォートユニット 3枚引き戸]  TOTO


「周辺ユニット」は、使い方、目的によって、レイアウトやプランニングも変わってくるもの。「キッチン部分」との関連性はもちろんのこと、LDK全体を考慮して、どのような「周辺ユニット」が適するのか、インテリア性もあわせて検討することが大切です。間取りプランにもよりますが、リビングの壁面システムなどと同時に、LDK全体の収納として検討する必要もあるでしょう。

商品を選ぶ際には、ショールームで確認することが基本。引出しや扉など、実際に動かしてみることも大切です。システムキッチンの空間提案展示などを参考に、どのような組み合わせが可能か、わが家の場合をイメージしてプランニングするようにしましょう。


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