マンション物件選びのポイント/マンションの間取り

浴室に窓も可能。光庭マンションの間取り(3ページ目)

マンション住まいの不満で「浴室に窓がないこと」という声を多く聞きます。水回りへの通風、採光はマンションにとって大きなテーマ。そこで「光庭」のあるマンションに注目、間取り例で検証してみましょう。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

光庭があるマンションの利点

小さくても窓があるとホッとしますね。
小さくても窓があるとホッとする。窓を開ければ早く乾くし、気持ちよい。
マンションに光庭があることで自然の通風、採光、またはプライバシーや防犯性などへの貢献度は高いということを述べてきました。

その他にも、最近ご紹介したスケルトン・インフィルマンションで、この光庭を利用して共用配管を配した例も見られます。スケルトン・インフィルマンションとは、今まで専有部のPS(パイプスペース)を通っていたトイレの排水などの共用配管を、外廊下や光庭といった共用部に配置することで、メンテナンスや取り換えを容易にし、建物を長持ちさせる工夫をしたマンションのこと。スケルトン・インフィル仕様でかつ光窓があるといった「二重の長所」を持つマンションも最近は見かけるようになりました。

【関連記事】
高耐久ならスケルトン・インフィルマンション
 

マンションの光庭には厳しい法規制も

光庭を採用したマンションの注意点を挙げてみましょう。特に【図3】で挙げた建物の中央部にある光庭は、火災時に延焼の危険性があったり、煙突の役割をしてしまう危険性も考えられるため、光庭そのものの大きさによっては消防法で厳しい制限がかかります。光庭に面する窓も、そういった火災時の安全性の観点から、他の窓からの距離や、窓の大きさに規制がかかる場合があります。このようにマンションには厳しい法規制がかかるため、戸建住宅のように自由に景観や開放感を求めることはできず、あくまで通風や採光がとれることが前提であると考えましょう。

また、高層マンションでは下の階まで光が届きにくくなるので、光庭による通風・採光の確保は低・中層マンション向きの手法です。
 

居住性を考慮したマンション選び

マンションだから浴室に窓がないと諦めないで!
「マンションだから浴室に窓がないのはしょうがない」と諦めないで!工夫してあるマンションを探してみましょう。
光庭を設けて居住性をアップさせるためには、設計や法的な規制、施工全てに余分な手間がかかるものです。しかし、より住み心地のよいマンションを作りたい、他の物件と差別化を図りたい、と積極的に取り入れるデベロッパーもあります。

これから購入される方は、そのように、住まい手のことを考えてあれこれと工夫されたマンションを選ぶことがポイントです。マンション選びをしっかりと行い、より快適なマンションライフを送ってくださいね。

【関連記事】
「窓」が住まいにもたらす効果とは?

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