二人暮らしに向く間取り。時には別々な時間を過ごせる間取りが吉

一人暮らしと二人暮らしの大きな違いは「パートナーの存在」ですよね。一緒に暮すということは、二人の時間もたくさん持てるということで期待が膨らむ一方、相手のリズムに合わせることも必要となり、それまで自由気ままな一人暮らしが長かった人にとっては戸惑うことも多いかもしれません。

これから2人暮らしを始めるなら、どんな間取りが良いでしょうか。

これから二人暮らしを始めるなら、どんな間取りが良いでしょうか。


二人暮らしを始める際に「相手が住んでいたワンルームに転がり込む」というパターンもあるかもしれませんが、ワンルームでは常に相手の姿が見えることから、精神衛生上お勧めできません。ずっと仲良く一緒に過ごすためには、時には別々の空間でそれぞれの時間を過ごすことができる間取りを選ぶことが大切です。

 

【タイプ1】いつも二人でいたい仲良しカップル向け。1LDK、50.4m2 

起きているときも寝ているときも一緒にいたい仲良しカップルには、就寝スペースである「寝室」がひとつと、それとは別に二人でくつろいだり食事をする「リビング・ダイニング・キッチン」がある1LDK以上の間取りをおススメします。1LDKなら、二人で一緒に過ごす時間が多くとれるとともに、どちらかが一人になりたい時には寝室とリビング・ダイニングに分かれて別々の時間を過ごすこともできます(【タイプ1】参照)。

【タイプ1】いつも二人でいたい仲良しカップルに向く間取り例

【タイプ1】いつも二人でいたい仲良しカップルに向く間取り例

寝室の位置と広さ

寝室はツインベッドを入れるなら8畳程度の広さが欲しいところですが、セミダブルもしくはダブルベッドひとつでOKという仲良しカップルなら最低6畳以上を目安にしましょう。その場合、タンスなどを置くスペースの確保が難しいと考えられるため、ウォークインクロゼットなど造り付け収納が充実している間取りを選びましょう。

また寝室の位置は、お客様を呼ぶことが多いカップルの場合は【タイプ1】のように、廊下から寝室に直接入れる方がよいでしょう。例えばお客様が来ている時に遅く帰ってきた方がいったん寝室に入って身支度を整えたり、もしくは顔を出さずに済ますなど、状況に応じて対応することができます。

キッチンは最低でも2口コンロ以上を


コンロが二口あれば、ある程度ちゃんとしたお料理ができます

コンロが二口あれば、ある程度ちゃんとしたお料理ができます

一人暮らしの時は「お湯を沸かす程度しかコンロを使わないから」と一口コンロでも問題なかったかもしれませんが、二人暮らしとなればお料理する機会も増えることから、コンロは二口以上欲しいところです。コンロが二口あれば、例えば「ソースを作る」+「麺をゆでる」と作業を同時進行するパスタ料理なども可能になります。電子レンジを置くスペースがあれば、さらに別な料理も同時に作れます。

二口コンロ+流し+作業スペースを合わせたキッチンセットの長さの目安は150センチ以上、そのほかに二人暮らしに必要な大きさの冷蔵庫(目安は280リットル以上で巾60センチ×奥行65センチ程度)や食器棚を置くスペース(巾80センチ×奥行40センチ程度)があるかどうかも確認してください。

 

トイレは独立型を選ぶ

コンパクトな間取りの場合、トイレと浴室が一体だったり、トイレは洗面脱衣室から入る動線になっているケースもありますが、どちらかが入浴中でもトイレに行きやすいよう、トイレは廊下から入る独立型の間取りが良いでしょう。

収納力のチェックを忘れずに

先ほども触れましたが、必ず確認したいのは「収納力」です。今回ご紹介する間取り図でグリーンに着色している部分が収納スペースです。もし造り付け収納が足りないなと感じたときは、室内に家具を置けるスペースがあるかどうかもチェックしましょう。家具を置きやすい間取りは「壁が多い」間取りです。【タイプ1】の間取りの場合は、リビング・ダイニングの左右の壁際に置き家具が置けそうです。

【タイプ2】将来の子どもも視野に入れたいカップル向け。2LDK+DEN、角部屋、ワイドスパン、56.7m2

「将来子どもも欲しいかも…」というカップルには、多目的に使うことができる小部屋「DEN(デン)」付きのプランがおススメです。「DEN」はもともと「巣、穴、ねぐら、ほら穴」「隠れ家、密室、巣、巣窟」という意味があり、そして私室である「書斎・仕事部屋など」を示すこともあります(研究社 新英和中辞典より)。

マンションでも明確な定義はないのですが、大まかに、隠れ家のような小さな部屋で、書斎や趣味の部屋といった多目的の小部屋のことを「DEN」と呼んでいます。

【タイプ2】多目的に使えるDENのある間取り例

【タイプ2】多目的に使えるDENのある間取り例


【タイプ2】の間取りのDENはリビングから直接入るリビングアクセスの位置にあり、リビングとは3枚引き戸で区切られています。この引き戸を開ければ、DENとリビングは緩やかにつながるため、リビングと一体として使うこともできます。

映画鑑賞が趣味の二人であれば、DENに座り心地の良いソファーをおいてシアタールームとして使用したり、カップルの一人が在宅ワークをしているのであれば、机と椅子を置いて仕事部屋にと、引き戸を閉めて趣味やライフスタイルに合わせて使うことができます。

生活時間帯がズレるカップルもOK。将来の子ども部屋としても

また、仕事の関係で生活リズムがずれるカップルであれば、夜遅く帰ってきた方がDENで就寝するようにすれば、朝から仕事のある相手の睡眠を妨害することなく、それぞれの生活リズムを保ちながら一緒に暮すことができます。

【タイプ2】の間取りではDENそのものは4畳で、個室として使うにはやや面積が小さいですが、窓があり採光・通風が得られる快適な小部屋です。クロゼットがついていて収納力もあるので、将来お子さんが生まれたときに子ども部屋としてしばらく使用することも可能です。

【タイプ3】それぞれの時間も大切にしたいカップル向け
2LDK+2WIC+SIC 角部屋 57.2m2

それぞれが在宅ワークをしているカップル、またはそれぞれの時間を充実させたいカップルにおすすめのプランが【タイプ3】の間取りです。

【タイプ3】一緒に住むけどそれぞれの時間も大切にしたいカップル向けの間取り例

【タイプ3】一緒に住むけどそれぞれの時間も大切にしたいカップル向けの間取り例


この間取りは、リビング・ダイニング・キッチンの他に、条件がほぼ同じである洋室が2室あります。それぞれに窓があり通風・採光条件が良く、収納力のあるWIC(ウォークインクロゼット)がついています。従って、この洋室はどちらも「個室として使いやすい」と言えます。例えばカップルがそれぞれ在宅ワークをしている場合などに、それぞれの活動場所を洋室(1)と(2)に割り振ることができます。

 

お互いの気配を感じられる個室の配置に注目

それぞれが個室を持つ、という使い方をすると「二人の顔を合わせる機会が減るのではないか」と感じるかもしれません。しかし、それぞれの個室がリビング・ダイニングと直接つながっていて一歩出れば共有スペースなのですから、二人が個々の部屋にいても、お互いの気配は感じやすくなっています。チョットした休憩時間や食事の時などにコミュニケーションが取りやすい間取りと言えるでしょう。

コミュニケーションの取りやすさとのバランスを考慮する

今回は、これから二人暮らしを始める人に向く間取りを3つご紹介いたしました。せっかくこれから一緒に住むのですから、二人のコミュニケーションが取りやすい間取りであることはもちろん、たまには一人になれる場所をつくることも、二人の仲を長く良好に保つ秘訣になるでしょう。

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