街の特長を維持できるか?
全面菱形のガラス張りで話題を集めたブランドショップや根津美術館のある通り。骨董通りとの棲み分けができている |
まずひとつは、3A地区内またはその周辺の環境変化である。前出の表参道ヒルズを手掛けた森ビル が元麻布ヒルズ、六本木ヒルズなど近年、港区内で大型再開発を相次いで手掛けた。老朽化の激しい建物が密集した地域を高級マンションに建て替えるだけでなく、周辺の道路も拡幅される。商業地としての価値向上が何かとクローズアップされがちだが、再開発は住宅地としても価値を押し上げる効果がある。
もうひとつは、多くの人をひきつけるその街ならではの魅力や特長だ。青山なら、例えば表参道から根津美術館に抜ける通りには、世界のブランドショップが引きも切らず進出する。骨董通りもライフスタイルを発信する基点的な位置づけを今だ維持し続けている。それに比べると、近年の赤坂エリアは幾棟かのオフィスビルの竣工があったものの、住む、遊ぶ、といった印象が他の2エリアよりは薄まってしまったのかもしれない。
大型プロジェクトが目白押し
最近の赤坂では大きなクレーンや工事中のフェンスをよく目にする |
今年の公示地価を見る限り、デフレ脱却は大都市圏のみであり、都心の地価上昇さえ、区や個別の地点で随分とその差がはっきりしていた。「都心ならどこでも安心」といった資産保有の考え方は、もはや通じなくなってきたと言えるだろう。これからは「その街がどのように変わっていくか」「特長を維持できるか」先見の明を養って見極めていくことが求められる。
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高級マンション
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