同区内でも二極化
06年発表の公示地価において商業地、住宅地ともに高い上昇率を示した神宮前 |
渋谷区の住宅地では、神宮前4丁目が前年に比べて25.65%と、区内では最も高い上昇率をマークした。近辺の商業地も同様に25~30%の高い伸びを示しており、「表参道ヒルズ効果」が顕著にあられた結果となった。再開発が周辺に及ぼす影響が短期間で実証されたといえるだろう。
また渋谷区では、06年の地価がm2あたり100万円を超える地点は、すべて前年より10%以上上昇しているのに対し、同50万円台では7地点中6地点が1%台の上昇にとどまっている。全国的な大都市圏と地方の格差同様、同じ渋谷区内においても二極化の傾向が見てとれる。
港区の動向
06年2月にオープンした表参道ヒルズ。1月1日時点つまり完成前の段階で公示地価は上昇していた!? |
都心の高級住宅街を代表する青山、麻布、赤坂は「住宅地の3A」と呼ばれている。半数以上の地点がm2当たり100万円超のこのエリアでも、一様に上昇したのだろうか。3Aエリアの地点を地価と上昇率のマトリックス表にマークしてみた。
■3Aエリアにおける06年地価(行)と上昇率(列)の関係(青山● 麻布○ 赤坂◎)
10~15%未満 | 15~20%未満 | 20~25%未満 | 25%~ | |
60~79.9万円 | ○ | |||
80~99.9万円 | ◎◎○ | ○○ | ||
100~119.9万円 | ○○ | ○○ | ● | |
120万円~ | ◎ | ◎◎○ | ●● | |
そもそも区全体が18%もの高い上昇を示した港区だが、3Aエリア間では微妙に上昇率の格差があった。上表を見ると、麻布エリアが15~20%台に集中しているのに対し、青山は(3地点だが)すべて25%以上を記録している。前出の渋谷区では、地価と上昇率が正比例の関係にあったが、どうやら3Aエリアではその公式は当てはまらなかったようだ。
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