【ガイドの不動産売買基礎講座 No.10】

ひとつの不動産売買契約が成立するまでには、さまざまな会社、機関、人々が関わります。あなたが不動産を購入または売却するときに、どのような人々がどう関与するのか、売買契約の裏側を知っておきましょう。

□ 売買当事者
当然ながら売主と買主は必ず関わりますが、これが複数だと結構大変なこともあります。ちなみに、私自身は1件の不動産売買契約で売主と買主合わせて7人までは経験しましたが、もっと多いケースもあるでしょう。

□ 媒介業者
これが1社の場合もありますが、多いのは売主側媒介業者と買主側媒介業者の2社によるパターンです。物件によっては、双方の媒介業者の間に別の(複数の)媒介業者が入ることもあります。

□ 金融機関
買主が新たに住宅ローンを借りる金融機関と、売主が今まで借りていて抵当権を抹消する立場の金融機関で、多いときには合わせて5社以上になることもあります。売主が商売をしている方のときは金融機関以外の抵当権が付いている場合もあり、そのときはかなり複雑になります。

□ 保険会社
住宅ローンの借り入れに伴う団体信用生命保険、火災保険、地震保険などの契約先になります。建物に万一の欠陥などがあった場合に備える瑕疵保険は、国土交通省から認可を受けた特殊な保険会社が取り扱います。

□ 司法書士
通常は売買した後の登記申請手続きを司法書士に依頼します。

□ 土地家屋調査士・測量士
新築建物の場合には土地家屋調査士が、土地売買で実測が必要な場合などには土地家屋調査士または測量士が関わります。

□ 建築士
土地を購入するときなどには、事前のチェックやプラン作成などで建築士が関わることも少なくありません。

□ インスペクション業者
既存住宅(中古住宅)を購入する際に、あらかじめインスペクション業者による建物検査を受けるケースも次第に増えつつあります。

□ 弁護士・不動産鑑定士
相続がらみや、不良債権化した物件の任意売却などでは弁護士が、鑑定評価が必要な案件では不動産鑑定士が関わります。

□ 隣地の所有者、私道の所有者など
売買にあたって隣地との境界確定や確認が必要な場合には隣地の所有者なども関わってきます。この場合、公道との境界確定では役所の担当課です。また、水道・ガス・排水などの配管埋設や掘削をめぐって、隣地の所有者や私道の所有者などが関わる場合もあります。

□ 法務局
売買後の所有権移転登記や抵当権設定登記などはもちろんですが、売買前における登記事項証明書や公図などの取得、権利関係の調査などを法務局で行ないます。

□ 裁判所
不良債権化した物件の任意売却や競売不動産取得の際に関わります。

□ 税務署・役所の税務課など
主に不動産取得後のお付き合いになりますが、売買時にも土地家屋の評価証明書取得などで役所の税務課(23区内は都税事務所)が関わります。

□ 役所の各窓口
不動産売買前の調査において、都市計画課、建築課、道路課、水道課、下水道課などが関わります。各課の名称は役所によって違ったり、管轄する組織が異なったりすることもあります。また、ときには役所の回答を得るために複数回、数時間の協議を重ねることもあるでしょう。

□ マンション管理会社
中古マンションを売買する際には、管理会社を通じて各種の調査や手続きをします。

□ ガス・電力などの各事業者
埋設管の調査などでお世話になります。

ざっと思いつくままに挙げてみましたが、物件によってはさらに違う相手先が関わる場合もあります。また、売出し段階では、レインズなどの流通機構、業者間の物件情報会社、物件検索サイト、情報誌、広告会社なども間接的に関わってきます。

そして、これらの間に立ってさまざまな段取りや調整などをすべて行なうのが媒介業者の役割です。1件の不動産売買契約でも、いろいろと手間が掛かっているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。もちろん、その手間は手数料分に含まれるわけですが……。


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