【ガイドの不動産売買基礎講座 No.28】

売地の広告や物件情報などで「建築条件付き」と書かれているのを目にしたことがある人も多いでしょう。しかし、一般的な売地や建売住宅とは何がどう違うのか、その内容が十分に理解されていないために、契約をめぐるトラブルが生じることも少なくありません。

今回は、建築条件付き土地とは何かを理解するために重要なポイントや注意点をまとめてみました。なお、建築条件付き土地について詳しくは ≪建築条件付き土地を購入するときの注意点≫ をご参照ください。


売買対象はあくまでも「土地」だけ

建築条件付き土地とは、土地の売買契約にあたり、その買主が「一定期間内に建物の建築工事請負契約を締結すること」を条件とするものです。先に土地の売買契約をして、後から「注文住宅の請負契約」をすると考えて差し支えありません。

したがって、売買対象となるのはあくまでも土地だけであり、それを仲介した不動産業者が請求することのできる仲介手数料も、土地の売買金額に対するものだけとなります。


一定期間内に建築工事請負契約が成立しないと?

土地の売買契約書のなかで定められた期限(3か月以内など)までに建物の建築工事請負契約が成立しなかった場合には、土地の売買契約が白紙解除されるか、もしくは初めからなかったものとみなされます。

白紙解除される「解除条件」なのか、初めからなかったものとみなされる「停止条件」なのかは契約書の文面によりますが、どちらの場合でも、手付金など支払い済みの金銭は無条件で全額返還されます。仲介手数料の半金などを支払っていた場合も同様です。

なお、土地の売買契約から建物の建築工事請負契約までの期間についてとくに決まりはありませんが、2003年の不動産公正取引協議会による規約改正前は「3か月以内」となっていたため、現在でもそれに沿った取り決めをすることが多いでしょう。


建築工事請負契約の相手先は?

2003年の規約改正以前は、建築工事請負契約の相手先が「売主またはその代理人」に限定されていました。しかし、現在はその制限がなく、「土地の売主業者」「売主の指定業者」「売主が指定する数社のなかから選択」「買主の自由選択」などのパターンが考えられます。

どのパターンになるのかは、土地売買契約の際における当事者間の取り決めに委ねられますが、指定された業者によっては建てることのできる住宅の種類(構法など)が限定されることもあるので注意しなければなりません。


建物のプランなどについて、十分な打ち合わせをできるかどうかが重要

土地の売買契約を締結してから建物の建築工事請負契約をするまで相当の期間をおくのは、その間に建物についての詳細な打ち合わせをする機会を設けるためです。

建築条件付き土地では、「買主の積極的な注文・指示による建物の建築工事請負契約」を締結することが大前提であり、その要件を満たさない場合は不適切な契約となりかねません。

土地の売買契約と建物の請負契約を同時に締結したり、それぞれの契約の間隔が極めて短かったり、あるいは建物について選択の余地が少ないなど、実質的に買主の意思が反映されないような場合には、宅地建物取引業法違反あるいは不動産公正取引協議会の規約違反に問われることもあるでしょう。

いずれにしても、建築条件付き土地の場合には「土地の売買契約をする前」の段階で、建築する建物についてどれくらいの頻度で打ち合わせを実施するのか、自分の希望がどの程度まで反映されるのかなどについて、しっかりと確認しておくことが大切です。

もし仮に、事前の詳細な打ち合わせもないままで、土地の売買契約と建物の請負契約を同時に結ぶよう強要されれば、それは明らかな違反行為です。そのような場合は契約を断るなど、毅然とした態度で交渉にのぞむことも欠かせません。


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