■ 落札できなかったら
開札期日から2~3日後をめどに、振込んだ入札保証金が全額返金されます。返金は、入札書類のうち 「入札保証金振込証明書」 の所定欄に記載した口座への振込みとなります。
■ 落札したら
運良く (?) 落札できた場合には、開札期日の1週間後に行なわれる裁判所の 「売却決定」 を経て、売却許可決定確定の日から約2か月後の指定期日までに残りの金額 (入札金額と振込み済み入札保証金との差額) を払込まねばなりません。落札したのに残金を払込まないと、入札保証金も没収されてしまいます。
現金で用意できる人は問題ありませんが、残金については金融機関のローンを利用することも可能。ローン利用前提であれば、入札前に金融機関担当者と打ち合わせておくことも必要です。なお、一般の住宅ローンよりも競売のローンのほうが難しく、事前に内諾を得ていたとしてもぎりぎりになって金融機関からローンが否認されるケースもあるようです。ローンが実行されずに入札保証金が没収されることのないよう、十分注意しなければなりません。
残金を払込むと、裁判所が職権で登記手続きを行ない、登記済権利証が送られてきます。
物件の引渡しを受けた後、占有者との明渡し交渉や物件のリフォーム、故障箇所の修理等はすべて自己責任となります。特に占有者がいる場合の明渡し交渉は厄介に感じますが、裁判所の明渡し命令の対象となる占有者では、一定の段取りと期間を経れば裁判所の力を借りて明渡しを受けることができます。なお、強制執行で明渡しを求めるような場合の裁判所執行官に対する費用などもすべて自己負担となります。
また、物件に対して正当な賃借人が存在する場合、その賃貸借契約期間が満了するまでは立退き請求することができません。
これらの面倒な交渉ごとをまとめて代行してくれるところもあります (代行費用は業者によりまちまちです) 。
■ すべてを業者に依頼すると
入札行為自体は誰でもできてやってみれば簡単です。しかし、3点セットに表れない部分の物件調査から落札可能な入札金額の決定、占有者がいる場合の明渡し交渉など、一般ユーザーには難しい部分も残っています。そこでこれらをすべて一括して代行してくれる業者もあります。代行費用は特に決まっていませんが、媒介手数料に準じて落札金額の3%程度 (成功報酬) としているところが多いようです。コンサルティング会社などでは実働日数による報酬の場合もあります。
■ で、結局どうなの?
入札するのは簡単でも、それを落札するのは結構難しいものです。特に流通市場性の高い物件では自己競落の問題や投資目的の入札参加もあり、 “安い” と思える価格で落札するのは至難の業。また、落札した後の問題はすべて自己責任となるなど、リスクの大きさも十分にわきまえなければなりません。
だからといって最初から無理だと諦める必要もありません。宝くじでも買うつもりで (もちろん十分な事前調査が必要です) 何度か挑戦してみれば、いつか “当選” できる可能性も十分にあります。宝くじよりは確率が高いはずですから。
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page3-2 ≪入札保証金の振込み≫
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