〔不動産競売の落札価額を調べてみたら意外な結果に!?〕

都市
さまざまな原因によって、数多くの不動産が競売にかけられる。
不動産を安く手に入れる方法として、相変わらず不動産競売の人気が高いようです。しかし、実際に落札ができたという話はあまり聞かれません。もっとも、ひとつの物件に対して落札できるのはひとり (または1社) だけですから、不動産競売を専門に取扱う業者でないかぎり、周りが落札成功者だらけになることはないんですけどね。

それはともかくとして、競売物件を落札できるのはどのくらいの価額水準なのか、不動産相場と比べてどの程度安いのか、実際の期間入札物件による落札データを基に検証してみました。 「競売物件は安いものだ」 と思っている人にはちょっと意外な結果かもしれません。

平成16年から17年にかけて民法や民事執行法の改正法が施行され、不動産競売の制度のうちいくつかが変更になっています。改正点のポイントなどは機会を改めてお伝えすることにしましょう。


検証の方法と手順

今回の検証と結果のご紹介にあたっては、次のような手順で作業を行ないました。

1.検証物件のピックアップ

平成17年の某日に競売が実施された東京23区内 (東京地方裁判所) の物件の中から、検証がしやすいように (不当な占有など) 特殊な要因を含まないファミリータイプのマンションをピックアップしました。
(一戸建てや土地で検証しようとすると、手間と時間と費用とが掛かり過ぎますからね。)

2.通常売買価額の算出

競売ではなく、通常の手続きにより中古市場へ売りに出された場合に、一般の買主 (不動産業者の買取り等ではない) を相手に “成約できるであろう” 価額を算出しました。同じマンションの売出し価額ではなく、実際の 「成約事例価額」 を基にしていますが、あくまでも机上の計算であり、個々に綿密な調査をすれば若干違う価額となる場合もあるでしょう。なお、通常の売買価額を算出するにあたっては、先入観を排除するため事前に最低売却価額や落札結果を一切見ないようにしています。

3.通常売買価額の修正

収集した資料を基に、位置関係から 「首都高速に面している」 など、環境面でのマイナス要因が読み取れるものについては、できるかぎり考慮に入れて価額を修正したほか、管理費・修繕積立金等の滞納がある物件については、競売時期までの累積滞納金額を推定して算出価額から控除しました。
(競売では買受人に支払い義務が引き継がれます。)

4.落札価額との比較

上記で算出した通常売買価額と、競売における最低売却価額、落札価額との比較をご紹介するわけですが、個人情報保護法 (不動産の物件情報も個人情報とされます) を考慮して物件の特定を避けるため、この記事の中では個々の物件ごとに一定の数字を掛けたうえで、十万円単位の数字になるように四捨五入しています。
 (例)通常売買価額2,000万円 → 本記事中では2,200万円
    最低売却価額1,250万円 → 本記事中では1,380万円
    落札価額  1,805万円 → 本記事中では1,990万円
(この場合は、もとの数字に1.1を掛けたうえで、一万円の位を四捨五入しています。落札結果の検証やその紹介が個人情報保護法に抵触するのかどうか分かりませんが、念のための措置です。)

なお、民事執行法の改正により平成17年4月1日からは 「最低売却価額」 ではなく、 「売却基準価額」 となっていますが、今回のピックアップ物件はいずれも改正法施行以前のものであり、この記事の中でも 「最低売却価額」 を表示することにします。



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page3 ≪落札結果はどうだったのか?



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