定年・退職のお金/定年退職前後にやるべきお金の手続き

年金と雇用保険、どちらがお得?

老齢厚生年金には様々な併給調整があり、年金の一部あるいは全部が支給停止される場合があります。雇用保険の失業給付である基本手当もその対象です。どちらか1つを選択しなければいけません。支給金額だけで決めると、ひょっとしたら大損するかも知れません。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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失業手当は働く意欲のある人に支給されるもの

雇用保険の基本手当をもらうにはハローワークに通う必要がある

雇用保険の基本手当をもらうにはハローワークに通う必要がある

一般に失業手当や失業給付といわれている「基本手当」は、雇用保険の被保険者が、定年や自己都合、倒産などで離職し求職活動を行っている間の生活を支援するために支給されるものです。

したがって、「定年退職後は仕事はしない」と考えている人は受給できないことになります。「求職活動」を行っているという意思表示をする必要があり、そのためにハローワークで求職の申し込みをし、求職活動を行っているが就職できない状態であることを定期的にハローワークに報告するわけです。

60~65歳未満で退職(倒産や解雇を除く)した人の基本手当の支給期間は、雇用保険の被保険者期間によって次のように異なります。

<基本手当の支給期間>
被保険者期間1年以上10年未満 90日
被保険者期間10年以上20年未満 120日
被保険者期間20年以上 150日

支給額(基本手当日額)は原則、離職した日の直前6か月間の賃金を基に算出した賃金日額の45~80%。しかし上限額が設定されており、60歳以上65歳未満では日額6709円(2014年8月)です。

なお、65歳に達する日(=誕生日の前日)以降に退職すると、基本手当ではなく高年齢求職者給付金という一時金が支給されます。給付額は、雇用保険の被保険者期間が1年未満の人は基本手当日額×30日分、1年以上の人は50日分です。

年金額と支給開始年齢は「ねんきん定期便」で確認

「老齢年金は65歳から受給」と信じているサラリーマンさん。日本年金機構から送られてくる「ねんきん定期便」をじっくり見ましたか? 老齢年金は原則65歳から受給開始ですが、老齢厚生年金については、60歳前半でも受給できる人がいます。

60歳前半の特別支給の老齢厚生年金を受給するための絶対条件は、厚生年金の被保険者期間が1年以上あること。この条件を満たした人で昭和36年4月1日以前に生まれた人は、60歳前半から特別支給の老齢厚生年金を受給できるのです。

支給開始年齢は誕生年月によって次のように遅くなります。自分の年金受給開始年齢と年金額を「ねんきん定期便」でしっかり確認してください。

<特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(男性)>
昭和28年4月2日~昭和30年4月1日生まれ 61歳
昭和30年4月2日~昭和32年4月1日生まれ 62歳
昭和32年4月2日~昭和34年4月1日生まれ 63歳
昭和34年4月2日~昭和36年4月1日生まれ 64歳
昭和36年4月2日以降生まれ 65歳

<特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢(女性)>
昭和33年4月1日以前生まれ 60歳
昭和33年4月2日~昭和35年4月1日生まれ 61歳
昭和35年4月2日~昭和37年4月2日生まれ 62歳
昭和37年4月2日~昭和39年4月1日生まれ 63歳
昭和39年4月2日~昭和41年4月1日生まれ 64歳
昭和41年4月2日以降生まれ 65歳

年金と基本手当の併給調整については次ページで>>>>
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