地震保険の保険料の決まり方の基本とは?
地震保険の加入率・付帯率は、年々増加傾向にあります。しかしその反面、保険料負担が大きいことから、加入を躊躇する人も珍しくありません。また、地震保険はその制度の仕組みに国が関与しているため、損害保険会社ごとに地震保険料が異なることはありません。
保険金の支払部分は過去における保険データをベースにして、様々な専門的手法を使います。これによって、将来起こりえる保険事故の支払額など計算しています。
地震保険の保険料率は何を基準に、どのように決まるのでしょうか。地震保険の保険料率の決まり方と各都道府県での具体的な保険料について解説します。
地震保険の保険料率は2つの要素で決まる
地震保険の保険料の決まり方は、実は非常にシンプルです。地震保険の目的となる建物や家財を収容する建物が以下の2つの条件にどのように該当するかで決まります。・どこにあるか?(所在地)
・何でできているか?(構造)
所在地については都道府県単位で保険料率が決まっています。構造については区分が2つあります。マイホームを購入する段階で、どこに買うか(又は借りるか)、どんな構造の家を買うか(又は借りるか)で支払う地震保険料のベースとなる部分はすでに決まっているのです。
地震保険、保険料率の決まり方(所在地区分)
最初に所在地の区分について説明しましょう。この区分のことを「等地」といいます。等地による区分は過去何度か改定されていますが、現在は3区分となっています(1等地~3等地)。1等地ほど保険料は安く、3等地ほど保険料は高くなります。以前は4区分(4等地)ありましたが、2014年7月の改定で3等地に変更、2017年1月の改定でも該当する等地が変更された都道府県があります。
●1等地
北海道、青森、岩手、秋田、山形、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、長野、岐阜、滋賀、京都、兵庫、奈良、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島
●2等地
宮城、福島、山梨、愛知、三重、大阪、和歌山、香川、愛媛、大分、宮崎、沖縄
●3等地
茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、徳島、高知
現状はこのような等地区分になっています。具体的な保険料は後で確認しますが、同じ等地の都道府県でも保険料が異なるケースがあります。
地震保険、保険料率の決まり方(構造区分)
次に、地震保険の構造区分についてです。構造区分については所在地の等地区分よりもシンプルです。具体的には次の2区分のみとなっています。・イ構造(非木造:主としてコンクリート造や鉄骨造)
・ロ構造(木造:主として木造)
正確な表現ではありませんが、上記の区分をイメージしておいてください。ただし例外もあって、木造でもツーバイフォー工法のものなどはイ構造に該当するものがあります。
地震保険の保険料率
地震保険は2019年1月に3段階2回目の改定が実施されます(この後3段階3回目の改定もあり、時期は明示されていません)。1,000万円当たりの保険料は以下のとおりです(割引なしの場合)。 なお、改定前と後の保険料は下のリンク記事にも詳細があります。
地震保険、2019年1月に値上げ改定と新保険料
地震保険料は改定で全国平均で上昇(引下げの都道府県あり)
2019年1月の改定で、保険料は全国平均で3.8%値上がり予定です。この改定では長期係数も改定されてこの部分も実質値上げとなります。地震保険は最長5年間契約可能ですが、5年契約の一括払いにするとその分保険料が割り引かれます。この割引になる係数が悪くなるので、単に保険料が変わるだけでなく、長期契約にしている人はこの分も値上げとなります。
平均3.8%値上げというものの、イ構造の最大引上げ率は+14.9%、ロ構造最大引上げ率は+14.7%になります。例えば5年間の長期一括払いにしている場合で、上記のように値上げ幅が高いとそれを含めて17~18%近く値上げとなる都道府県もあります。
具体的に自分の場合はどのように変わるのか試算を出してもらい検討するようにしてください。
【関連記事】
地震保険、2019年1月に値上げ改定と新保険料
地震保険料と地震保険の割引制度について
検証!あなたに地震保険は必要?
県民共済、JA共済、全労済の地震保険