ヴィクトリアの滝を眺め方
太陽の逆方向にはいつも虹。滝から吹き上げられる霧が動植物を育み、虹を呼ぶ
ヴィクトリアの滝はザンビアとジンバブエの国境上にあり、それぞれ別の国立公園として管理されている。滝全体を眺めるなら下流域、ジンバブエ側のヴィクトリア・フォールズ国立公園がベター。滝の上を歩いたり、サイドから眺めるなら上流域、ザンビア側のモシ・オ・トゥニャ国立公園がよい。
といっても、やはりそれぞれに魅力がある。日本人であれば国境で手軽に両国のビザ(有料)が取れるので、できれば両側から眺めたい。
■滝の水量と季節について ~いつ見るべきか?
滝の水量が最大になるのは4~5月で、この時期、滝はもっともダイナミックになる。しかし、水量や風向きによっては水煙で何も見えないうえに、遊歩道を歩いているだけで水浸しになってしまう。完全防水のカメラを用意しなければ写真すら撮れないこともある。
一方、水量がもっとも減るのは11~12月。水煙が少ないので渓谷の全貌を望めたり、滝の上を歩いたりすることもできる。その半面、滝自体の迫力は控えめで、年によっては滝がほとんどなくなることもあるという。
ということで、求めるものによって滝のベストシーズンは異なる。ただ、一般的には天気のよい乾季(4~10月)で、水量が減ってくる8~11月辺りがベストとされる。
デビルズ・プールから眺めたメインフォールの流れ。落ちたら魚さえ助からないという
水量が多い時期、少ない時期、それぞれに魅力的なアトラクションがある。水量が少ない時期にはすでに紹介したリビングストン島ツアーやデビルズ・スイムが楽しめる。このツアーのピークは8~11月で、年によって多少期間が前後する。ラフティングやリバーボーディングも水量が少ない時期限定だ。
反対に、水量が多い時期は水煙がひとつの見どころとなる。最近人気を集めているのが「ルナ・レインボー(月の虹)・ツアー」で、夜、月の光に架かる虹を眺めることができる。おおよそ月に3日間、満月とその前後の日にのみ催行されるツアーだが、ルナ・レインボーが美しいのは水量が多くて高い水煙が立つ2~8月(それ以外の時期も催行)。ヘリコプターやセスナでの遊覧飛行も、水煙が高く立つ時期がベストだ。
■滝を見る際の服装について
水量が多い時期に行く場合、レインコートやレインスーツは必須。下から水煙が巻き上がってくるような場所もあるので、傘やポンチョは使いづらい。バッグ等を持ち込む場合はバッグごとレインコートを着込むか、防水カバーを用意しよう。靴について、遊歩道を歩く分にはビーチサンダルでも問題ないが、滝の上などを歩き回る場合は滑りやすいので濡れてもよいスニーカーか、しっかり固定できるスポーツサンダルがよい。
水量が少ない時期でも年によって状況が異なるので、上のような装備をしておけば安心だ。なお、ヴィクトリアの滝の入場料や営業時間については以下にまとめられている。
[関連サイト]
- Victoria Falls Entrance(VICTORIA FALLS GUIDEの公式サイト。英語)
- Lunar Rainbow(同上。ルナ・レインボー・ツアーについて。英語)
ヴィクトリアの滝のアトラクション
落差111メートルを誇るヴィクトリア・フォール・ブリッジのバンジー・ジャンプ (C) Spy007au
■動物サファリ
滝近郊のザンベジ国立公園などにはゾウやカバ、サイ、キリン、インパラ、シマウマ、サルといった動物たちが生息しており、これらを見学するツアーが出ている。また、少し離れたワンゲ国立公園なら、運がよければライオンやヒョウといった大型捕食動物も見学できる。また、バードウォッチングやフィッシング・ツアーなども催行されている。
■ボツワナへのサファリ
ヴィクトリアの滝はボツワナ国境にも近く、国境を越えたサファリも催行されている。特に、ゾウの生息密度ではアフリカ一を誇るというチョベ国立公園や、川が砂漠に吸い込まれて消滅する世界遺産「オカバンゴ・デルタ」のツアーが人気。
■リバークルーズ
ボート、ジェットボート、クルーズ船などを使ったさまざまなクルーズツアーが出ている。人気は夕陽を眺めるサンセットクルーズや、食事付きのサンセット・ディナークルーズ。
■ラフティング、リバーボーディング
滝の下流のデビルズ渓谷は世界的に有名なラフティングの名所で、渓谷を駆け抜けるダイナミックなルートが人気を博している。リバーボーディングはボディボード+ウェットスーツ+フィンで川を下るアトラクション。ベストシーズンはいずれも8~12月で、水量が多い3~5月前後は催行されない。
■バンジージャンプ、ジップライン
ヴィクトリア・フォールズ・ブリッジでは高さ111メートルのバンジージャンプが体験できる。ただし、最小体重40キロ、最大体重140キロの制限がある。また、数種類のジップラインがあり、渓谷を眺めながら空中を滑空することができる。
■ヘリコプター、セスナ、マイクロライト・プレーン遊覧
ヘリコプターや軽飛行機での遊覧も人気が高い。特に水量が多い雨季後半から乾季前半は数百メートルに及ぶ水煙がダイナミックな景観を見せる。また、スカイダイビングを催行しているツアー会社もある。
■ビレッジツアー、民族舞踊・ダンスショー
ヴィクトリアの滝周辺の少数民族村を訪ねるツアーも人気。また、いくつかのレストランでは周辺民族の音楽やダンスのショーが行われており、民族料理とともに異文化体験が楽しめる。