日本酒/酒造、酒蔵訪問

福井の銘酒「花垣」を訪ねる 2(2ページ目)

名水の里、酒米の里、寒仕込みと酒造りの3拍子が揃った大野の銘酒蔵「花垣」。造りのポリシーをうかがった。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

「一蒸し、二蒸し、三に蒸し」

よく、酒造りは「一麹、ニもと、三造り」といわれるが、「花垣」の造りのポリシーはなんといっても「一蒸し、二蒸し、三に蒸し」。
さらに「蒸しは作っても、飯は作るな」である。

蒸し方いかんによって出来上がる酒質がぐっと変わる。「ベストは和釜。輝きのある真珠のような蒸し米になりいい麹に仕上がるんです」と南部さん。今はそれに一番近い状態でも蒸しにしている。




暖気だるを使い温度調整をしているもろみ。




発酵中の吟醸酒。フルーティーな香りが漂う。


南部酒造は、自家酵母のほか、金沢系酵母をよく使うが、その特徴は、品がよく、きれいで優しい味に仕上がるところだとか。洋ナシのような香りで、セメダインのような強烈な吟醸香にはならないのがポイント。また秋あがりするのも魅力。




タンクに巻きつけてあるビニールシートの中は、氷! 暖冬なんだな。





今年度は製氷機がフル稼働だったとか・・・。暖冬は酒造りにも影響している。



麹造りは体力、知力、経験が勝負だ。




いい麹米はそのまま食べると栗のような上品な甘みを感じる。




翌日の仕込まで十分に成長してね、麹ちゃん。




昔ながらのもろみしぼり機の「ふね」。


しぼられたものはここに置くタンクに集められる。
最初にほとばしり出てくるのが「あらばしり」で軽め、すっきり、華やかな風味。真ん中が「中汲み」で味わいが濃く旨味がある。最後が「せめ」でさらに濃く江組みや渋味があり荒い味わい、飲みごたえがある風味(品評会には出せない)。




能登杜氏の畠中さん。
え? こわもて? 
いいえ、ちょっぴりシャイでとても優しいお方ですよ。




これは酸度、糖度を測る機械。
杜氏さんは化学者でもあるのだ。




水の甘味がそのまま生かされた格調高い味わいの超特選大吟醸。




杜氏の名前が冠された「槽搾り中汲み大吟醸」。




有機認証を受けた酒米で醸した自然派日本酒も注目だ。




名水の里らしく、仕込み水の販売もしている。これで割り水してお燗にするとめちゃおいしい。




酒蔵と大野市をご案内いただいた南部社長。花柄のはっぴが印象的♪



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