煮込み料理
トルコ料理はケバブのイメージがあり、焼いた肉料理が多いのかと思いきや、実は庶民的なお店(ロカンタ)や家庭では、煮込み料理が食卓をにぎわすことが多い。基本的にベースにはピーマン、トマト、玉ねぎなどの野菜がたっぷりと使われ、これに肉、豆、季節の野菜などが加えられる。
味のキメテとなるのは、サルチャと呼ばれるトマトペーストだ。トルコのトマトペーストは酸味が少なく、濃厚で旨みがあるため、これだけで味にぐっと深みが加わるのだ。サルチャはトルコの家庭の味、煮込み料理には欠かせない重要な調味料のひとつとなっている。
とはいえ、サルチャが常に使われるのかといったら、そうでもないらしい。というのも、トマトが旬を迎える夏は、太陽の光を燦燦と浴びたトマトだけでも十分料理に旨みをプラスすることができるため、加工品であるサルチャは使わないこともあるのだとか。これは一部のトルコ人たちから聞いたことなので、トルコ全土ではあてはまらないことかもしれないし、個人のこだわりによっても違うとは思うのだが。
いずれにせよ、トルコの煮込み料理には、一般的にコンソメなどのダシを加えなかったり、火加減や素材をいれるタイミングなどに細心の注意を払ったりし、素材本来の味をいかに引き出すかに重きをおいているように思う。素朴だけれど、食べた後に満足感があり、また食べたくなる。そんな料理がトルコの煮込み料理の特徴だといえるのではないだろうか。(満足感があるのは、素材の旨みのほかに、使う油の多さかもしれませんが…)
以上、「これだけは知っておきたい!トルコ料理編6」、肉料理編でした。
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