待望のリニューアルオープン!
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牛込神楽坂駅から徒歩7分のところにある「ル・マンジュ・トゥー」の外観。 |
リニューアルのため、2005年6月で一度お店を閉めた「ル・マンジュ・トゥー」。それが2006年3月に待望のリニューアルオープン! お店に入ると、目の前に清潔感ある厨房が。そして2階へ上がると、落ち着きのあるダイニングが広がっています。見るからにゆっくりとくつろげる、ホッとする空間ですね。
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席数は全部で14。日々満席なので予約はお早めに。 |
メニューは、10,500円のおまかせコースのみ。ただし、秋冬に限り、ジビエづくしのコース(12,600円~)も用意しています。ボクは10月25日と11月9日に伺い、その両方のコースをいただいてきたので、まとめてご紹介しようと思います。
ジビエづくし!
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目にも鮮やかな「蝦夷鹿のマリネ」。 |
まず、10月25日にいただいたのがジビエづくしのコース。
1品目に供されたのは、「蝦夷鹿のマリネ」です。塩、コショウで3日ほどマリネした蝦夷鹿の腿肉(シンタマ)を使っているのですが、噛むほどに広がる濃縮した旨み、香りが断トツで、鹿肉とは思えないほどのインパクトを実感しました。香り高いトリュフや、フレッシュな紅玉との相性も抜群で、思考能力完全崩壊! いきなり谷シェフの凄さを見せつけられた感じです。
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強烈なインパクトがあるわけでもないのに、その味がなかなか頭から離れない「キジのテリーヌ」。 |
2品目は「キジのテリーヌ」。黒トリュフやピスタチオ入りのキジのテリーヌに、ジューシーなポルチーニや、澄んだテイストのセップのソースを合わせた一品です。キジは、ジビエの中で最も匂いの稀薄な素材ですが、香り豊かなポルチーニなどの茸を合わせることで、淡泊な中にもしっかりとした輪郭でき、力強い一面も感じることができました。しみじみとしたおいしさですね。
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「ジビエのコンソメ」。見た目のシンプルさからは想像もつかないほどの味の奥行きを実感できます。 |
3品目は、至ってシンプルな「ジビエのコンソメ」…なのですが、その味の深みには思わず絶句です! 兎、鹿、猪の旨み、香りが複雑に混ざり合った、何とも奥ゆかしいテイスト。味雷の1つ1つに、そして脳の最も重要な部分に、しっかりとその味が刻み込まれます。シンプルなだけに、その感動もひとしおです。
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豊満な旨みを放つ「イノシシの煮込み」。 |
続く4品目は、アルザス地方の伝統料理「ベックオフ」に見立てた「イノシシの煮込み」。西伊豆産のイノシシや、フランス産のラット芋、ポワローを、STAUB社のココットでじっくりと煮込んだ一品で、ふくよかな野性味とともに感じる濃厚な旨みが極めて秀逸です。
山うずらもここまで見事に調理されれば本望でしょう!
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お皿まで舐め回したくなるほどの「ペルドローのロースト」。 |
そしてメインの肉料理が、「ペルドローのロースト」。的確に火入れされた山うずらは、特に腿肉の味の濃さが印象的で、赤ワイン、血、内臓を合わせたソースは、滋味溢れる旨み、風味を備えています。実にしっかりとした味わいであるにもかかわらず、鼻腔全体に広がるその香りと、後口のキレイさには言葉も出ません! お皿まで舐め回したくなってしまうのは、きっとボクだけではないはずです。
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「蕪のグラタン仕立て」。2人で一皿です。 |
別皿で供される「蕪のグラタン仕立て」も、忘れられないほど印象的でした。
ショコラ好きにはたまらない一品!
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夢にまで出てきた「ショコラ・ショー」。世界一美味! |
続いてデセール…といきたいところですが、この日はその前にも驚愕の一品が! 目の前に出されたのは「ショコラ・ショー」。ひとくち飲んで震えがきました! 濃厚で深みがあり、気品溢れる雰囲気を醸した王道の味わいで、正直、ボクが大好きな「ジャン=ポール・エヴァン」のものよりも美味! マダガスカル産の黒胡椒が放つ野性的な辛みが、ショコラの濃厚さと相まって、クラッとくるほどの豊かなテイストを生み出しているのです! これは文句なしに「食の殿堂入り」ですね。
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味、食感の見事なコントラストを実感できる「栗のパートフィロ包み焼き」。 |
デセールの1品目は、2種類のマロン(フランス産&国産)のペーストを包み込んだ「栗のパートフィロ包み焼き」です。パートフィロのパリパリ感と、栗の濃厚な風味、キャラメルソースの芳しさ&適度なキレが、実に見事なバランス。
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最後を締めくくる「エクレール」。 |
そして、締めくくりとなる2品目のデセールは、クレーム・パティシエール&ショコラクリームを挟み込んだ「エクレール」。決め手となるのは上にかけられているカフェ風味のフォンダンでしょう。ここに濃厚な甘みが備わっているからこそ、芯のある味わいがもたらされているのです。ともに添えられているミルクアイスクリームが、その甘みを断ち切る役目を果たします。
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レーズンをソーテルヌでもどしてショコラがけした「レザン ドレ オ ソーテルヌ」。プティ・フールと一緒に供された一品です。 |
以上が10月25日の内容です。そしてこの時、純粋に「また来たい!」と思えたので、11月9日に再訪させていただいたわけです。
次ページは、
2006年11月9日の10,500円コースについて。