大阪グルメ/大阪のフレンチ

ユニッソン・デ・クール(大阪・西天満)(3ページ目)

パリの三ツ星「ル・ムーリス」などで修行されてきた阪本シェフが先月オープンさせた新フレンチ「Unisson des Coeurs」。全13皿のコース料理を全て御紹介いたします。

執筆者:麻生 玲央

・Coquille St-Jacque
青森ホタテ ニョッキパルメジャーノ モリーユ茸。
青森ホタテ ニョッキパルメジャーノ モリーユ茸
続いては、海の物と地の物による彩り鮮やかな盛り付けの「青森ホタテとニョッキ」の一皿。程よく火入れされたホタテの繊維はキメ細かく、甘みもしっかり。このホタテだけでも十分に満足できる仕上がりだったのですが、さすがは阪本シェフ、さらなる美味しいサプライズを用意してくれていました。

それはニョッキ。これがとりわけ特筆物で、このニョッキは原材料の95%~96%がジャガイモで構築されており、小麦粉はほんの少し、繋ぎ程度に入れてあるだけ! しかも、ジャガイモはグルタミン酸を逃さぬように、水には漬け込まずに、塩で固めてオーブン焼きしてあるという念入りで丁寧な下準備。そこから生まれるニョッキは、もちもちネットリとした独特なテクスチャで、噛みしめるのが心地良いまでに快感なのです。


・Anago a la Bordeaulaise
対馬列島アナゴ ソースボルドレーズ。
対馬列島アナゴ ソースボルドレーズ
これも凄い! 穴子が、まるで生きているかのようなムチムチ感! シェフの作り出される料理は、シンプルで無駄がなく、素材の持つ旨味が上品に伝わってくるんですよね。一つ一つの素材が本当に「綺麗」な味わいを出していて、その繊細さは引き算料理である日本料理を思い起こさせます。

また、合わせるソースも秀逸。レモンの酸味とワイン(ボルドレーズ)を合わせることで、初夏らしい甘味と酸味を絡めた軽やかなテイストを生み出し、これが記憶に残るほど穴子の持ち味を引き立たせるのです。


・Vol au Vent d'osaka
丹波鶏クネル 北海道シマ海老 アスパラ シャンピニオンパリ チンゲン菜。
丹波鶏クネル 北海道シマ海老 アスパラ シャンピニオンパリ チンゲン菜
そして、今回のコースでもっとも心に残った逸品が、この「ヴォル・オ・ヴァン」の再構築。これは最近のシェフのスペシャリテ候補とのことです。

一見すると、「ヴォル・オ・ヴァン」がフイユテごとバラバラに分解されているようですが、実際に食べてみると不思議に統一感があり、味わいの調和がとれた特筆物の仕上がりになっています。

これに合わせるソースも、実に軽やかに仕上げてあり、鶏にも海老にも違和感なく馴染むような相性抜群の汎用性。パリの三ツ星「ル・ムーリス」でソース部門のトップを務められていた実力とセンスは、やはりさすがの域ですね。

羽のように舞うフイユテ、柔らかく弾力のある丹波鶏のクネル、フレッシュなシマ海老、それらどれもがソースと共にエレガントな余韻を残す、実に見事なハイクオリティ。クラシックからモダンに進化させた極みの逸品と呼べるでしょう。エクセラン!

次ページでは、魚と肉のメイン料理を御紹介します
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