中京区にある新星割烹店
カウンター側には青紅葉が顔を見せます。 | 木漏れ日が差し込む店内。 |
「京の台所」錦市場から、堺町通を南に折れ、四条通に出るまでのワンブロック、最も京都らしい町中の、そのまたド真中に、その割烹はあります。2007年12月10日開店の新しいお店ですが、33歳とお若いながら柿傳や高台寺和久傳で、みっちり修業された宮澤政人さんが、ケレン味を廃した、しっかりとした京料理を出されるので、近頃とみに評判が高まっている割烹です。
「じき 宮ざわ」の外観。 |
研ぎ澄まされたセンスと実力。
まずは食前酒として伏見の酒「豪快(松竹梅)」が供された後、料理がスタート。・先附
ズワイガニとホウレンソウと菊の花のスダチ醤油和え |
・椀物
器。 | 「松茸」と「秋刀魚」。季節をいただいているかのよう。 |
しかし、今の時期(秋)、椀物の蓋を開ける時は、「松茸」が入っているかな? とドキドキしてしまいますが、蓋を空けた時に、松茸が顔を覗かせると、それだけで気分が紅葉……いや、高揚します。
まずは、蓋を開けた瞬間に漂う湯気を浴びるように顔を近づけると、湯気に混じった松茸の薫香が、むんむんと漂い、五感全てを秋色に染めてくれます。
もう一つの椀種である「秋刀魚のつみれ」も丁寧に作り込まれており、松茸に負けない存在感。そして、この「秋刀魚」と「松茸」の旨味エキスを存分に含んだ出汁は、薫り高さはもちろん、淡い甘味(旨味)が静かに優しく拡がる味わいで、口に含む度に、気分をほっこりと落ち着かせてくれるのです。
次ページでは、定番の一品「焼き胡麻豆腐」を御紹介します