旬を堪能できる至高の小鍋料理
・小鍋小鍋の器 | 松茸たっぷり! |
鱧の頭と骨を焼いてから取った出汁は、臭みがなくコクがあり、鱧のエキスがとにかく素晴らしい。松茸と鱧という秋の出逢い物は、普通なら「土瓶蒸し」が出るところですが、ここでは小鍋仕立てにして捻ってあるところがいい。
鱧の強さと軽やかさが昆布の効いた出汁と織り交ざりながら、蕪の大地ミネラル溢れる香りと秋の冥加ともいえる松茸の官能的な香りが螺旋のように鼻腔を突き抜けます。出汁も鱧の旨味エキスが効いてるだけあり、長い余韻を醸し出す見事な仕上がり。秋の京都と言えども、これだけの小鍋とは、なかなか出逢えませんね。
・〆御飯 赤出汁 香の物
焼き鱧と銀杏とシメジのおこわ |
・水菓子
バニラのプリンに、カラメルソースのアイスクリーム乗せ |
手間暇だけではなく、センスの良さ、原価率の高さなど、驚きすらある水菓子です。甘さも控え目で、清清しいテイストは、一般的なパティスリーで食べる洋菓子よりも、かなり格上感のある仕上がりで、もし器が洋物でしたら、フレンチで出てきても違和感のないクオリティ。最近は老舗の和食店でも洋菓子風の水菓子を出してくる店が増えましたが、これだけ手の込んだ美しい水菓子を出してくれるところは極めて稀。女性には特に喜ばれることでしょうね。
・抹茶と茶菓子
三島の茶碗で供される抹茶と自家製の栗きんとん |
抹茶は三島の茶碗で供され、栗きんとんは丹波産の和栗を使用。栗のつぶつぶまで入っている素朴で甘みを控えた自家製で、極限まで栗風味を押し出した究極の栗きんとんと言えるでしょう。
伝統の路地に咲く美の食宴
祇園にまた一つ誕生した和の名店。旬を活かしきった雅で優美な料理の数々は、味にうるさい食通客はもちろん、女性には特に訪問していただきたい一軒です。器の知識がない方でも、見た目だけでうっとりとさせてくれる美学性の高さは、きっと舌だけではなく、五感全てを満足させてくれることでしょう。全国版グルメガイド本「もう一度食べたい! あのお店の一皿」>>詳細はこちら
<DATA>
・店名: 祇園 なん波
・所在地:京都市東山区四条花見小路東入
・アクセス:京阪電鉄「四条駅」徒歩約5分
・地図:Yahoo!地図
・TEL:075-525-0768
・営業時間:11:30~14:00(LO)、17:00~22:00(LO)
・定休日:不定休