セクシュアルマイノリティ・同性愛/ゲイシーン

初レポート! 神戸のパレード(2ページ目)

神戸でのパレードは、東京や札幌、大阪のパレードとは全く違っています。歩く人数は少ないですが、観客の規模が数十万人にも上るのです。そんな神戸パレードの模様をAll Aboutで初めてレポートいたします。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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代表のしゅんさんへのインタビュー


しゅんさん
しゅんさんはパレードを開催している「ふれんどりーKOBE」の代表の方です。初めてお会いしたのですが、若くて明るくさわやかな、いろんな人たちとうまくやっていけそうな魅力を持った方でした。新しい世代のホープとして今後の活躍が期待されます。インタビューをお送りします。

――今回のパレードを終えての感想をひとことお願いします。

まずは、昨年のようなトラブルもなく、また好天にも恵まれ、けが人もなく、無事にパレードを終えられたこと、皆様に感謝申し上げます。今回は想定していた参加者数を大幅に割り込んでしまいましたが、原因の解析や改善を行い、来年さらに多くの人たちと共に楽しめるようなパレード作りをしたいと思います。

――今年のパレードでよかったことは?

参加者が「一緒に写真をとってください」と声をかけられたり、カメラに向かってポージングなどのサービスをしたり、パレード中も仮装参加者のパフォーマンスに大きな声援が送られていて、楽しい雰囲気の中で十分に存在をアピールでき、市民の方々と触れ合うことができたと思います。 

――逆に大変だったことは?

毎年そうなのですが、準備はそれなりに大変です。自分たちが主催するのではなく、神戸まつりに「参加する」という意味では、一定の制約があります。その枠内でいかにパレードを実行するかということ、そして広報活動に苦慮しています。フライヤー配布やMixiのコミュニティへの告知などで情報発信していますが、少ないスタッフでの作業はなかなか大変です。広報のお手伝いをしてくださる方、ぜひご協力ください。

――神戸のパレードはもともとケンゾヲさんが2006年から始めたものですが、昨年から「ふれんどりーKOBE」にバトンタッチされることになったと思います(昨年はインフルエンザの影響で中止に…本当に残念でしたね)。しゅんさんがパレードを引き継ごうと思ったのはなぜですか?

実際には2008年のパレードから引き継いでおりました。僕自身は中心でやっていたわけではないんですが、諸事情ありまして、直前にケンゾヲさんが引退することになり、他のメンバーから代表をお願いされたんです。何よりもパレード開催が優先でしたし、ひとまず代表をお引き受けして、パレードをやりとげました。その後、講演会にも出たりする中で、いろいろ考えました。実際には「差別や偏見」ってそれほどないのではないか? 実は自分たちのコンプレックスも大きいのではないか?など、現実と理念との乖離を感じはじめました。LGBTもノンケも同じ地域でもっと豊かに生活することはできないか? 豊かさとは何か? そのために今何が必要なのか? そういった考えの中から生まれてきた団体が「ふれんどりーKOBE」です。

――なるほど。市民のお祭りに参加するというスタイルでもあるし、「差別するな」と声を上げるよりも、いっしょに楽しみましょう!というスタンスを打ち出そうと。

僕の中ではカタチとしては引き継ぎましたが、それまでと意味合いが大きく異なっています。LGBTもノンケも誰でもが楽しめて、みんながなかよく参加できるパレードです。そんな様子を見て、何か自然と伝わるものがあれば…と考えています。「ふれんどりーKOBE」の使命はノンケの世界とLGBTの世界の世界の橋渡しだと考えています。

ふれんどりーKOBE
ふれんどりーKOBE」のサイト
――「ふれんどりーKOBE」の日頃の活動である「虹茶房」のことを簡単に教えてください。

誰もが気軽にお茶を飲みながらゆる~い会話を楽しみ、その中で参加者どうしが気軽に交流できるようなお茶会です。毎月違ったテーマを決めていて、それをきっかけにお話を始めるようにしています。時に意見のぶつかりあいや白熱した議論になることもありますが、いい雰囲気の中で交流できています。
「日常のLGBTとノンケのふれあい」をコンセプトにしていて、LGBTだけでなくノンケも参加しています。おかまとか女装といったイメージではない、素の僕らを知ってほしいし、LGBTの側もノンケに「すでに理解されていることもある」ということを体感してほしい、という思いです。現在は神戸、大阪の2会場で毎月最終週の土日に開催しております。

――素敵なお茶会ですね。

最近、「虹茶房」に強力な味方が登場しました。神戸で古くから高品位コーヒー豆の輸入、焙煎、販売を行っている株式会社神戸珈琲様から協賛をいただくことができました。たまたま神戸三ノ宮にある直営店の珈琲が気に入って通っていたのですが、大阪で虹茶房を開催する準備のために相談を持ちかけたところ、僕らの活動にご理解をいただけたんです。地元神戸の一般企業から協賛をいただけたことは本当にうれしいです。

――スゴい! まさに「フレンドリー」。世間って僕らが思ってる以上に味方になってくれますよね。素晴らしい話です。では、来年のパレードに向けての抱負や読者のみなさんへのメッセージなどあれば、お願いします。

来年のパレードではLGBTはもちろん、ノンケの人たちにもたくさん参加していただいて、一緒にパレードで歩けたらと思っています。また、パレードの前に何かしらのイベントを企画したいと考えております。
そして、「ふれんどりーKOBE」で一緒にパレードや「虹茶房」の企画や運営をする仲間を募集しています! セクシュアリティや居住地域は問いません。いつも笑いがあふれている楽しい集まりですので、興味のある方はぜひ!
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