恋愛、おつきあい、結婚


龍児&ジャック
2001年12月、デンハーグ市役所の「結婚の間」で式を挙げた龍児さんとジャックさん。

–– パートナーシップや結婚の話をお聞きしたいと思います。まず、お二人のなれそめは?

龍児:出会いはアムステルダムのサウナで。おたがいにひとめぼれじゃないけど、気に入って。出会ったときは、オランダ出向の2年間の任期の最後のあたりで、帰国する3ヶ月前だった。日本に帰りたくないと会社に言ってみたけど、ダメで。それで日本に戻って2年間生活しながら、遠距離恋愛をやって…でも、また同じ仕事でオランダに戻れる自信があった。

–– 彼のために戻ったんですね?

龍児:自分たちのため。彼のためでもあり、自分のためでもある。

–– 地球の反対側の国で遠距離恋愛…大変だったでしょうが、それを乗り越えて今があるんですね。無事に希望が叶ってオランダに戻り、ロマンチックな再会を果たし、何年かしていっしょに暮らしはじめたんですよね?

龍児:4年間はすぐ近くで別々に暮らしてた。「スープの冷めない距離」で。

–– だいたい10年くらいのおつきあいになった頃、世界で初めて同性婚が認められ、いろいろ考えて、ジャックさんと結婚することを決意しました。詳しい経緯はblogに書かれてありますが、大使館とかいろんな役所を回ってスタンプラリーしなきゃいけなかったり、手続きが大変でしたね。日本の法務省は海外で同性婚しようとする人に対し、婚姻要件具備証明書(独身証明書)を発行するなという意地悪というか横槍を入れていましたが、大丈夫でした?

龍児:2001年4月にオランダで認められて、僕らが結婚したのは12月。法務省が意地悪というか横槍を入れはじめる前でした。

–– よかった。ラッキーでしたね。

龍児:今考えるとそうですね。自分たちもそのことは最近まで知らなかったんです。今は横槍もなくなったわけですが、それは日本の人たちが活動した成果。いいことだなあと思います。

–– そういう手続きの関係で、お父様にもカミングアウトされました。勇気が必要だったと思いますが…どんなお気持ちでした?

龍児:言っちゃった、っていうのが大きかった。書類を取り寄せるのに、とにかく父にやってもらうしかなくて。「お祝いはしないけど、やってやるよ」と言われたときには、ほっとしました。

–– お父様の世代だとなかなかゲイに理解がある人は少ないと思います。ありがたいですね。

龍児:それだけでありがたい。うちの父はそのヘンは理解があって。よかった。

–– お父様と言えば、みんなに祝福してもらった結婚式の後、ジャックさんのお父さんに「Welcome to my family」と言ってもらえたんですよね?

龍児:戦争中にインドネシアに住んでいて日本軍の強制キャンプに収容されていた経験があって、アンチジャパニーズだった人なんです。まさか自分の息子が日本人と結婚するだなんて思ってもいなかっただろうけど、そういうふうに言ってくれて…何物にも換えがたいうれしい結婚のはなむけ。一生忘れません。

–– まさか自分は結婚するとは思ってなかったと書かれていましたが、そうやっていろいろ苦労を乗り越えて、本当に喜びの多い結婚式を挙げて…どんなお気持ちでした?

龍児:自分はゲイだから結婚することはないだろうと思ってました。それは確か。何が変わったって、何も変わってない。10年も暮らしてたし。日常生活では何も変わることがない。平凡な暮らしです。ただ、blogをはじめるときに、何を書くかって考えて、他の人がやってなくて自分がしてることって結婚だと思って、いざ書いてみると、思った以上に反響が大きくて驚きました。同性結婚した自分の経験談が他のゲイの人たちの役に立つんだったら、何かできることがあればいいなと思ってます。

–– 龍児さんがこうしてblogで世界に発信してくださったおかげで、結婚したいと思っているゲイのカップルたちがとても励まされたと思います。ありがとうございます。