セクシュアルマイノリティ・同性愛/ゲイライフ

クリスマス特集☆キリスト教と同性愛(2ページ目)

世間はクリスマスモード。クラブパーティやゲイバーのパーティ、ホームパーティなどに出かける方も多いハズ。でも、本来の趣旨に沿って、教会で過ごしてみるのも悪くないんじゃない?というお話です。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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キリスト教と同性愛


古代ギリシアでは大らかに謳歌されていた同性愛が、キリスト教の誕生・伝播に伴って罪だと認識されるようになり、法で禁止されたり社会的不名誉の汚名を着せられるようになったことを歴史書は伝え、それが現在でもローマ法王の同性婚否定発言やカリフォルニア州での同性婚禁止法可決にまで影響していることは否めません。欧米でのゲイパレードや同性婚を求める運動に「地獄に落ちろ」などといったプラカードを掲げて反対している人たちをニュースで見たこともある方も多いでしょう。

そんな欧米の動きを見て疑問に思う方もいらっしゃると思います。はたして「キリスト教は同性愛者の敵」なのでしょうか?

中村牧師
新宿コミュニティー教会の牧師、中村吉基さん。LGBTの信者さんやHIV陽性者をサポートしたり、同性カップルのために結婚式を挙げてくださったり、とても素晴らしい活動をされています。
新宿の二丁目近くにある「新宿コミュニティー教会」の牧師・中村吉基さんは、「旧約聖書には同性愛を禁止するように受け止められる記述はあるけども、同時にタコやイカを食べてはならないとも書かれています。数千年前の戒律を適用するなんて現実的ではありませんよね。それに、イエス・キリスト自身は別に同性愛に関して何も言っていません(禁止していません)」と教えてくれました。

どうやら、聖書に「同性愛は罪」って書いてあるやんけ!とモーレツに抗議している人たちはいわゆる原理主義者(聖書の原典を忠実に守ろうとする極端な思想の持ち主)と呼ばれる人たちのようです。決して大多数ではなくて、ごく一部の人たちです。

中村さんはこうも語っています。「40年前、カトリック教会は現代化への改革をしました。しかし、同性愛のことや堕胎のことはそのままになっていた。その影で声にならない声で叫んでいた人、涙を流していた人は数知れないのです。そういうひとを包み込む宗教でなければならないはずです」

教義の中のどの部分を時代に適合させるように改訂していくかということは恣意的で、宗教自体も、社会の影響を受けながら(人々の大多数がどう考えるかに左右されて)、時代とともに変わっていくのです。
 
また、ひとくちにキリスト教と言っても実にいろんな教派があり、モルモン教やカトリックの人たちは、同性愛をいけないことと捉える傾向が強く、先日のカリフォルニアの同性婚住民投票でも禁止派に加担していたようです…が、プロテスタントの人たちの多くは、同性愛にも寛容だったりします。アメリカではゲイでも牧師になれる教会(教派)もあり、同性愛者によって「メトロポリタン・コミュニティー教会」も設立されているそうです。

そして、現在同性婚やそれに準じる同性パートナー法(シビルユニオンなど)が認められている国は、ほとんどがキリスト教の国だということも言えます。決してキリスト教だから敵などとは単純には言えないのです。
 
以前このサイトにも登場してくださったゲイの牧師・平良愛香さんの言葉が、きっと最良の言葉ではないかと思います。
「同性愛者への理解が広がってくるに従って、神によって造られた人間の一つのかたちとして大切に考えるグループも生まれています。私はキリスト教が必ずしも皆さんを排除しているわけではないということを知ってほしいし、キリスト教会に理解をもっと深めてもらえるように努めていきます」

クリスマス礼拝
24日の夜には新宿コミュニティー教会でクリスマス礼拝が行われるそうですので、いつもとはひと味違った、本来の意味での聖なる夜を過ごしたいという方はお出かけしてみてはいかがでしょうか?
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