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日本語を勉強中[2]……「犬の◯◯◯」(2ページ目)

夫が日本語を勉強中だった頃のエピソードです。熱心なあまり、ジョギングしている最中にも日本語を覚えていた彼は、ある日こんなことを言ってしまいました……

執筆者:シャウウェッカー 光代

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「ドグのプー」

かっこいいスケーターもいっぱい
私たちが走っていたのは、バンクーバーっ子に人気のキツラノビーチという海岸沿いの遊歩道。アパートのすぐ近くで、車が入れないため、空気がきれいで走りやすいのです。また、景色がバツグンによく、行きと帰りで違う風景を楽しめる格好のジョギング&ウォーキングコースで、犬の散歩にも最適の場所でした。

遊歩道全体は舗装されていて、サイクリングやローラーブレード用のコースも完備。一部、道路脇に土の上を走れる細い道が併設されており、自然なクッションで脚のためによさそうなので、私は時々そこを走っていました。その時の会話です。

夫が突然こんなことを言い始めました。
「ドグのプーに気をつけて!」
(えっ? ドグのプー? なんだそれ?)と心の中では思うものの、息が切れているので、声に出している余裕がありません。

走りながらしばらく考えて、やっと「dog(犬)のpoo(ウ○チのこと)」と言っているのだと分かりました。犬を散歩させて糞をちゃんと取っていかない飼い主がいるので、踏まないように気をつけて、と彼は言っていたのです。

今度は質問されました。
「プーは日本語で何ですか?」(←相変わらず「です・ます調」)
私はかなりハアハアいって走っていたので、最小限の短い言葉でぶっきらぼうに答えました。
「ウ◯チ」
「じゃあ、ドグのプーは何ですか?」
「犬のウ◯チ!」
もうそれ以上は、呼吸のペースが乱れるので、答えられなかったのです。

「犬の◯◯◯」

いつもの折り返し点まで行って、またキツラノビーチまで戻って来ました。夫は相変わらず一人でぶつぶつ何かしゃべっています。すると、ビーチに設置してあるトイレが見えてきました。その時、彼がこう言ったのです。

「僕はトイレに行きたいです。犬のウ◯チがしたいです」

聞いた瞬間、私はヨロッとなって、もう少しでコケるところでした。おかしくておかしくて、ただでさえ息が切れているのに、もう呼吸が止まるかと思いました。心の中ではこう叫んでいました。↓
「人間が犬のウ◯チをして、どうするのよ~~~!」

どうやら、pooを表わす言葉として、このように“セット”でインプットされてしまったらしいのです。dogは「犬」だと知っているので、分かると思っていたのですが……。

もっと丁寧に教えてあげればよかったと、いたく反省。せめて「犬のフン」と言うべきでした。そうしたら、人間のモノと区別できたでしょうに……。


次回のエピソードです。夫はついに新語も作ってしまいました~♪ それは……

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