最初の問い合わせ
待望の週明け月曜日、東京入管に電話しました。しかし、なかなかつながらないんですよね、これが。やっとのことで相手が出たので、永住審査部門につないでもらいました。電話に出たのは女性でした。事情を説明し、元々の希望通りに「スイス」の国籍に訂正できないかと聞いてみると、その女性は、ご主人のパスポートのコピーを持って東京入国管理局の窓口まで来ていただければ、その場ですぐ訂正できるのですが、と言うのです。行きます行きます! それでいいのなら、東京だって大阪だって、北海道にだって行きますよー! あーよかった。なんだ、それでいいんだ。面倒なことにならなくてよかった!
週末続いた憂鬱さが一掃され、すっかり気分が軽くなった私は、大喜びでお礼を言い、電話を切りました。そして、切ってしまってから思った。
「あーっ、また名前を聞くのを忘れた!!」
そうなのです。一度それで失敗しているのに、またやってしまったのです。
そして、にわかに心配になってしまいました。
「お役所のことだから、人によって言うことが違うかもしれない。簡単にできると思って窓口に行き、結局そこでできないと言われたら無駄足になってしまう。そのとき、“○○さんという方に電話でそう聞きました”と責任の所在を明らかにしたくても、名前を聞いてないのでできない。ど~しよ~~~」
そこで、入国管理局に行く前に、もう一度確認の電話をすることにしました。そうしたら、前とは全然違う回答が……!?
食い違いの発生
2度目に電話をしたとき、同じ事情説明をすると、担当の者に代わりますと言われ、今度は男性が出てきました。その人は、10月に国籍確認で私に電話をかけてきた、まさにその人だったのです。そして、彼もこの案件のことを覚えていました。ところが私の解釈とその人の解釈は、まったく違うものだったのです。開口一番、「あのお電話の時、カナダにするということで話が決まりましたよね」
えーっっっ、違いますよ! そんなこと、全然話してません! スイスにするということで、その日のうちに速達でレターを出したんですよ。
「でも、カナダでいいということだったので、それで進めたのですが」(向こうも、自分が聞いたことが正しいと言い張ります。)
「パスポートの日付けはどちらが新しいですか?」
「カナダです。」
「2つ国籍をもっている場合は、通常は、新しい国籍のほうになるということは、この前の電話でお話したと思いますが」
「えっ! そんなこと聞いてません! 今初めて聞きました。」
「そうですか。ふつう国籍は、新しいのを取得したら古い国籍はなくなるということですから……」
「それは国籍を1つしか持てない日本の場合で、スイスもカナダも国籍を2つ持ってもいい国ですから、そういう考え方はしないのですが……」
「しかし、一度発行したあとに国籍を変更するというのは、ほかに例がないのですよ」
「でも、一昨日もそちらに電話で問い合わせたのですが、そのとき出た方は、東京入管の窓口に来てもらえれば、すぐその場で訂正できるっておっしゃってましたよ。」
「え? それはできないですよ」
でも、確かに……
こんな押し問答が10分ほど続き(実際はもっと短かったかもしれないけど、私には長~く感じられた)、何度もあきらめそうになり、彼にはカナダでガマンしてもらおうかなと思ったり……。
ただ、それまでの話の食い違う部分が多かったにしても、相手の人の話し方が、決して高飛車ではなかったし、事情を聞いて対応策を思案してくれている様子が感じられたので、頑張れば何とかしてくれそうな気がして、粘りました。もう、必死でしたよ。