暮らしの歳時記/夏の行事・楽しみ方(6~8月)

盥(たらい)の今昔、夏におすすめの使い方(2ページ目)

違いがわかるあなたに送る逸品シリーズ! 行水・西瓜・ビール……とくれば「盥(たらい)」でしょ。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

盥(たらい)の醍醐味といえば……行水です

洗う・浸すなど多様な暮らしの道具ですが、中でも、盥(たらい)を使った「行水」は夏の風物詩。江戸時代、火事予防のために内湯が禁じられていたことから「行水」することが多く、明治・大正・昭和に入ってからも、家庭に風呂が完備されるまでは、風呂屋と共に暮らしの一部だったそうです。

なるほど!理に適ってます「日向水(ひなたみず)」

行水と言っても、大きな盥(たらい)に沸かした湯をはるのは重労働。そこで、天気のいい昼間のうちに水を張っておいて、太陽熱でぬるま湯になった頃に行水する…そんな暮らしの知恵がありました。

(日向水=太陽に当たって温まった水。また、なまぬるい水のこと)

こんなとき、盥(たらい)を使うと満足度アップ!

桶職人さんの成せる業!……でも、肝心の職人さんが少なくなってしまいました
ビニールプールの代わりに盥(たらい)で水遊び。氷を入れてギンギンに冷やしたビールを飲みながら、トマトや胡瓜の水滴を払ってガブリッ。

お庭やベランダで足浴をしながら夕涼み……同じことをしていても、本物を使うとなんとなく満足感が違う!

違いがわかる人のオフタイムにいかがでしょうか。

【ちょっぴり雑学:盥回し
贈答品などをそのまま別のところへ流用したり、役所や病院などで「あちらへ行って」と言われてそこへ行くと、今度は「そちらへ」などと回されるなど、ひとつの物・事をぐるぐる他の人・場所に回すことを「盥回し」と表現しますが、これは、足で盥を回す曲芸からきた言葉です。


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