コーヒーの本当の味わいを知る
柑橘のようなフレーバー
「お好きなコーヒーの味は?」コーヒーの種類を選ぶ時にそう聞かれました。私が好きなタイプのコーヒーは酸味が少ないもの。そう答えると、田那辺さんは……「では、この店でいちばん酸味の強いコーヒーを煎れてみましょう」
そう言って豆を挽き、煎れてくれたケニアコーヒーを一口。まず、感じるのは、果実のような華やかな香り。そして爽やかな苦味が舌を引締め、喉を通り抜けて行きました。あれ? 酸味が強いはずなのに。
「これが本来のコーヒーの酸味なんですよ」
もう一度じっくりと味わうと、確かに酸味があります。でもそれは、舌に残る刺々しいものではなく、まろやかな酸味。
今まで飲んでいたコーヒーは一体何だったのだろう? と思ってしまうほどクリアで純な味わいに感動すら覚えました。
なぜそんな味になるのでしょうか。
次のページでご紹介します。