関東風「長命寺桜もち」
花見といえば「桜もち」。「関東風」小麦粉生地の焼き皮と、「関西風」道明寺とどちらがお好きですか? 今回は、関東風「桜もち」を考案したとされる東京・向島「長命寺 桜もち 山本や」にお邪魔し、気になる桜葉(桜もちの葉)についての疑問も尋ねてきました。「桜もち」1品で約300年
周辺は桜の名所。 花見の季節は 店先に長い行列ができる |
今でも花見の時期には長い行列ができますが、滝沢馬琴ら編の江戸時代の随筆集、『兎園小説』によると、同店で1824年の1年間で消費された桜葉は31樽、桜もちにして約38万5000個分というので、江戸時代にもかなりの人気があったようです。
約300年、愛され続ける「桜もち」
現在は西伊豆・松崎産の 大島桜の葉を使う。 皮は染めず、自然のままの白色。 |
古い資料が関東大震災で失われたそうで詳細は不明ですが、現在の皮に落ち着くまでには試行錯誤があったようです。今では砂糖、小豆、小麦粉と桜葉の塩漬けだけで作られる「長命寺桜もち」。数百年もの間多くの人に愛されて来た桜もちは、気取りがなくて飽きの来ない、親しみやすい味わいです。
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