そば/東京のそば屋

西麻布・蕎麦 たじま訪問記(2ページ目)

下町の気さくな蕎麦屋のスタイルを、西麻布というロケーションで展開するとこうなるという好例。確かな腕前の蕎麦を軸に、和食の基本に則った新作メニューの冴え。

執筆者:井上 明

そばが旨くなかったら、どんな新作も価値がない



もりそばは、確かに完成度の高いそばの提供形態である。しかし、新しい提供方法を模索しているラーメンやうどん業界に触発されてか、そばの世界でも少しづつ新作が発表されるようになってきた。

しかし、声を大にして云いたい。ベースになる蕎麦がおいしくなかったら、新作の価値そのものがゆらぐのである。

だから、そばに自信がある店にこそ、もりという昔からの完成形だけに身を寄せるのではなく、大いに新作で冒険して欲しい。


▲翡翠茄子と鰊の冷やがけ ¥1,500

上品な翡翠茄子の煮浸しと、濃厚な動物性の旨味の鰊の棒煮、これらをかけ汁を冷やした「冷やがけ」というフォーマットで提供する佳品。吸い口となった青柚子の郁とした香りも嬉しく、残暑に火照る身体を美味しく冷やしてくれる一杯である。


▲そして、このさりげない気配りが嬉しいじゃないですか

綺麗なお召物をまとった女性でも、この一品を優雅に味わっていただけるように…。茄子蔕を受ける皿、汁を味わう匙、そして意外な取り合わせの妙である黒胡椒が添えられている。気配りは、味わいを倍加させる。

しっかりとしたそばで、いい仕事なさってました。お客様が他にいらっしゃらなかったので、
店主と名刺交換していろいろなお話をさせていただきました。ありがとうございました。



▲そば店の本流を歩んでこられた若き本格派の店主・田島基行さん

実家はなんと団子坂上の、鴎外図書館のそばにあるお蕎麦屋さん。ということは、現在の神田藪蕎麦の前身である蔦屋のあったところで、そば的にはとても由緒正しい出自ということになります。

また、この団子坂は、江戸川乱歩の名篇「D坂の殺人事件」の舞台でもあり、森鴎外など、多くの文豪がからんだ文学の街で育ってこられたところも素敵です。

修行先は、京金、本陣房だとか。まだまだ伸びる逸材です。これからもいい感覚で小粋なそばを提供してください。

【蕎麦 たじま】

港区西麻布3-8-6 大伊乃ビル1F

アクセス 東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩8分
都営大江戸線六本木駅より徒歩10分
東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩15分
お車 ※テレビ朝日通り、愛育病院斜め前

営業時間11:30~(L.O.14:30)、17:30~(L.O.21:30)
/祝11:30~(L.O.14:30)、17:30~(L.O.20:30)

定休日日休(1/1~4休)

TEL 03-3445-6617


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