玄そばの自家製粉!そば粉の作り方をマスターしよう

そば粉の作り方をマスターしよう

そば粉の作り方をマスターしよう

収穫したそばを自分で碾いて粉にするのは、そば打ちを趣味とする人にとっては無上の楽しみのひとつである。ところが、製粉方法は製粉所それぞれの門外不出のノウハウとして固く封印されている。もっとも、その仕様が公開されようとも、色彩選別機などのハイテク機材をもたないアマチュア製粉家にとっては、参考にはなるかもしれないが、実践的な情報とはいえないもののはずだ。


そこでこの記事では、背伸びをしないアマチュア製粉の方法をまとめてみた。今回用いるのは、9寸の石臼と、入子になった五段式のナイロン篩である。


まず、五段篩であるが、通常とてもかさばる篩いの収納を家庭用での使用を前提として入子式に収納できるようにし、コンパクトなスペースで仕舞える画期的な製品である。

60メッシュのセイロ粉をとるためのAセットと、10メッシュ単位で粗碾の粉を篩うことがきできるDセットの2ラインアップが用意されており、とりあえずAセットがあれば自家製粉をスタートできる。
   

製粉所はどうやっているか

製粉所の製品である通常のそば粉は、「丸抜き」や「大割れ」と呼ばれるそば殻を排除した状態の原料を石臼に投入する。そのため、じゃりじゃりとした食感のそば殻が入らないきれいな状態で提供される。

実はそばの製粉において、この「そば殻」をはずすという工程が一番厄介で、そのためにどの製粉所も大がかりな機械を導入しているのである。

それを、石臼と数種類の篩いだけで済ませようという話だから所詮無理がある話なのでだが、そう言ってしまっては記事にならない(笑)。

そこをなんとかしようというのが、今回のテーマなのだ。まず、しっかりと殼がついた玄そばから何とか殼を外す工程からはじめよう。

製粉所では、この工程のために原材料のそばの実を粒の大きさごとに揃えることからはじめる。そうすることによって、皮むきの機械を通ったときに、皮を剥かれる精度が高まりきれいな丸抜きとなるわけなのである。
 

家庭でのそば製粉レシピ

家庭の製粉環境では、これらの専門的な機械がないわけであるから、篩いと石臼でそば殻を排除することをめざすことになる。

殼がある以上、そのまま一発で最終的な粉の細かさに碾くことは不可能であるので、石臼を2回にわけて使うことになる。

まず最初に、玄そばの殼をはずすための臼。これはいくつかやり方がある。電動の小型石臼を持っている場合、レバーで臼の間隔を調節できるので間隔を最大にして粗く碾く。
 
電動の石臼についているレバー

電動の石臼についているレバー

電動石臼がない場合は、臼にできるだけ多くの玄そばを投入しながら碾く。臼はおみこしの原理で原料にかかる力の大きさが決まる。つまり、一度に投入される玄そばが多いほど上臼の重量が分散され粗い碾きあがりとなる。

このようにして石臼を使うと、実のほうは丸抜きのようにきれいなカタチにはならないが、殼はぱっくりと割れて取り外すことができる。
 
そばの殻

そばの殻

 

篩いで殼を取り除く

これを五段篩いの一番粗い目にかけて静かに篩うとご覧のようにあらかたの殼が下に落ちる。
さらに二番目の粗さの目で篩うと、こんどは篩の上に細かな殼が残り、殼を排除できる。
篩いの下にもさらに細かな殼が残るが、これは最終的にそば粉にしたい材料と混在しているのでこの殼はピンセット等で根気よく排除していくしかないだろう。
製粉所の偉大さに気づく瞬間である(笑)
 
下に落ちた殻たち

下に落ちた殻たち

 
さらに細かく

さらに細かく
 

いよいよ本番碾きである

すでに玄そばから大方のそば殻を排除する工程を行ったので、次はそれを粉として仕上げていく。
 
まだ残っているそばの殻

まだ残っているそばの殻

このような状態の粉から根気よくそば殻を排除していって、もう一度石臼を通す。
 
かなり細かくなった

かなり細かくなった

そうして採れた粉を60メッシュの篩いで篩った結果がこちらである。ご覧のように殼の残骸である「星」が点々と残っている。

作業時間であるが、1kg程度の玄そばを処理するとして、石臼に関わる時間はトータル1時間くらい、さらに篩いを使う時間がこれに加わり、下準備と後かたづけまで考えると悠に半日仕事となる。

でもこうして仕上げたそば粉は、どの粉よりも旨い、はずだ。
自分で育てたそばを自分で収穫して、それを自分で碾いて、自分で手打ちそばとして、自分で食べる。こんなトータルな楽しみができる穀物は、唯一そばだけだ。

自家製粉で、自分だけのそばを味わい尽くすのも、愉しい。

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