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梅雨を制する者こそ、蕎麦打ち上手(2ページ目)

プロアマを問わず、手打ち蕎麦を打つ人たちにとっては、加水率に大いに悩んでしまう憂鬱な季節でもある。どうしたらよい蕎麦が打てるか、ということについて考えてみた

執筆者:井上 明


じゃ、梅雨の時期はどうやって打つ


さて、この記事の本題、じめじめとした梅雨の時期、どうしたらよい蕎麦が打てるか、ということについて考えてみたい。

蕎麦粉と水。加水が足りなければ、ひび割れる。伸すほどにちぎれていく。多すぎれば、手や鉢やノシ板にべっとりとくっつく。確かに麺を切ったはずなのに、隣あった麺線がくっついてしまう。駒板を使って切っていると、加水が多すぎて柔らかくなった麺帯が包丁の向こうに見苦しくひねり出て行くといったような弊害が出てくる。

それでも、通常は適正な加水率というものは、結構ゆったりとした幅があって、どんぴしゃの「適正」からプラスマイナス1.5~2パーセント位は余裕があるものである。つまり、普段であれば、3~4パーセントの幅の中に「適正加水率」があるというわけだ。

ところが、梅雨のさなかにおいては、加水率を厳しく低めにみておかないとドゥがゆるくなって仕事にならなくなってくる。
そこで、梅雨の時期については、プラスマイナス1.5~2パーセントではなくて、プラスゼロ・マイナス1.5~2パーセントの中に適正値があるという風に考えるとよい。つまり、この時期については、選択できる幅がぐっと狭くなるわけだから、水の入れすぎにはくれぐれも注意したい。


梅雨を制する者が、蕎麦を制する


普段から蕎麦を切っているとき麺帯の向こうが「むにゅ」っと出て行ってしまい、仕方なくそれを包丁でばさっと切って仕事しているようであれば、その状態から3%は加水を低く抑えても十分に麺として繋がるはずだ。

ふがんから、厳しめの加水率でそばを打つことを心がけること、これが守られていれば、たとえ梅雨のこの時期であってもキリッとした様子のいい蕎麦が打てるはずだ。

ふだん打っているゆるい玉から、3%程度加水を少なくすると途端に繋がらなくなってしまう人は、そもそも、その加水方法に問題がありそうだ。一度お近くにいらっしゃる名人に、加水のテクニックについて教えを請うてみてはどうだろう。

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