大阪グルメ/大阪のフレンチ

ガニュ・パン(大阪・中津)(2ページ目)

きらびやかなイメージがありますが、素朴なエッセンスをも持ち合わせているのがパリ。そんな本当のパリの持ち味が、中津のビストロにも生きています。ベテランシェフの小さな店には、無骨な中に優しい美味しさが。

執筆者:渡部 功平

レストラン出身シェフの真髄を味わえるビストロ料理

●アジのブルスケッタ

アミューズとして出されたもの。こういうのが付いてると、嬉しいですよね。少しピリ辛に味付けられた具がたっぷりと乗ったブルスケッタは、スターターに最適。キールやカンパリなどの食前酒(各550円)と合わせてスッキリといただくのが夏らしい楽しみ。

●シェリー酒風味のコンソメジュレ カニとアボカド、桃のカクテル(1,260円)

レストラン出身のシェフらしい一品の登場です。しっかりとコクのあるジュレに、爽やかで甘みのある桃を合わせ、思いのほかまとまり感のある味わい。カニとアボカドがうまみを添えることで、軽くなりがちなカクテルに、一品料理としての味わい深さを持たせています。

●帆立のソテー プロヴァンス風(1,260円)

先ほどと打って変わって、こちらは直球ビストロな一品。ケッパーで酸味づけしているのは、ちょっと好みが分かれるかも? フランス人は好きそうな味付けです。しかし、帆立の火通しや基本的な味付けの丁寧さは、日本人、そしてベテランシェフならではのもの。

絶品メイン料理は素材と技術の賜物

●イベリコ豚ほほ肉の白ワイン煮 レモン風味(2,625円)

イベリコ豚といえば、甘みと旨みを兼ね備えた、融点(溶け出す温度)の低い上質な脂のおいしさで有名。そんな素材ですから、「イベリコ豚を煮ておいしいのかな?」と訝しがりながらオーダー。

ところが、食べて見るとやはり、煮ても焼いてもおいしいのがイベリコ豚。脂が溶け出すことで旨みとなって全体に行き渡り、素材の良さを実感できるのです。もちろん赤身の良さも極上で、ほろほろと崩れる中には脂と共にダブルのうまみがしっかり詰まっています。

●仏シャラン産鴨のロースト 青胡椒風味(2,410円)

そして今回、最高の一品。少なくとも、現時点で僕の中の鴨料理ベスト3に入る素晴らしさです(ちなみに他は「サクラ」と「パトゥ」)。ビストロのシンプルな鴨としては最高峰でした。焼きの技術の丁寧さは筆舌に尽くしがたいほどで、鴨肉の風味を最大限に引き出したジューシーさ。こういう基本の技術が優れている料理に出会えると、本当に感動します。

また、添えられているキノコ4種(アワビタケ、シロシメジ、シロマイタケ、ハタシメジ)との相性も抜群で、まるでこの取り合わせで食べられるがために生まれてきたかのよう(鴨さん、ごめんなさい)。

●コーヒー風味のシフォンケーキ(525円)

ミルクのアイスが添えられ、ほわっとした食感に癒されるシフォンケーキ。いかにもビストロといった素朴なデザートで、少し苦味のきいた生地に甘みのあるミルクアイスがぴったり。

次ページでは、コンパクトなビストロの良さをご紹介。
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