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パトゥ(神戸・元町)[ディナー編](3ページ目)

以前はランチをご紹介しました、神戸のフレンチレストラン。今回はディナー1万円コースをご紹介します。ごまかしのきかないストレートな料理は、「味で勝負」というフレンチ上級者にこそ味わって欲しいです。

執筆者:渡部 功平

幸せな香りに浸る、食事のフィナーレ

シンプルながら、味も香りも絶品  “ヴェルヴェーヌのクリームブリュレ”
シンプルながら、味も香りも絶品  “ヴェルヴェーヌのクリームブリュレ”
デザートは5種類からチョイスできます。前回はこちらの名物、クレームカラメルをいただきましたので、今回は“ヴェルヴェーヌのクリームブリュレ”を。甘いもの好きの僕としては、デザートが来るとつい嬉しくなってしまいます。映画「アメリ」のように、ニンマリしながら表面を割ると、鎮静作用もあるヴェルヴェーヌの落ち着いた香りが漂い、ますます嬉しい気分に。味の方も、表面の苦味と中の甘味のバランスがよく、ヴェルヴェーヌの清涼な香りがそれらをまとめ上げています。

ハーブティーをいただきながら、至福の時。 “パウンドケーキとショコラ”
ハーブティーをいただきながら、至福の時。 “パウンドケーキとショコラ”
最後にプティフールとハーブティーを。プティフールはパウンドケーキとショコラです。今回はこちらをウェイティングでいただきながら、少しシェフとお話させて頂きました。前回のランチも含めて、いろいろな料理の感想を伝え、それをひとつひとつ真摯に聞いて下さる山口シェフは、予想通りのとても真面目な方。

上級者ほど楽しめるレストラン

ハーブティーには一切れの葉っぱが浮かんでいます。
ハーブティーには一切れの葉っぱが浮かんでいます。
正直なところ、こちらの料理には派手さはありません。見た目はとてもシンプルです。しかし、食べてみるとその味の完成度の高さには驚かされます。「シェフの作る料理は、どちらかといえばフレンチ上級者向け、味のわかる方でないと楽しみにくい料理じゃないかと思ってしまうのですが…。」と正直に述べると、シェフは「不器用なので、これしか作れないんですよ。」と謙遜されます。でも、それは騙しの通用しない「味で勝負」の料理をしているということ。創作料理が多くなってきた昨今、いま一度、味という原点に回帰してみると、また違った発見があるかもしれません。

神戸のプチメゾンでは珍しいウェイティング。久しぶりの父娘の再会にもふさわしい、上品な空間。
神戸のプチメゾンでは珍しいウェイティング。久しぶりの父娘の再会にもふさわしい、上品な空間。
派手さはなくとも、本当に上質な料理。神戸のプチメゾンでは珍しいウェイティングルームを備え、お手洗いも2つ設けるなど、しっかりした設備。サービスは、マダムとソムリエのお二人で担当。常に微笑みをたたえ、背筋を伸ばして歩く様は、二人とも間違いなくプロのサービスマン。料理・雰囲気・サービス、三位一体で上質なレストランを形作っているのです。この日のお客様は、約半分が50代以上と思しき方々。このレストランが、経験豊かな大人に支えられ、また満足させる力を持っていることを示しています。

上質を知る大人から子どもの世代へ ― そんな風に語り伝えたいレストランが、ここにあります。

マンションの1階ですが、繁華街からは少しだけ離れ、落ち着いたお店です。
マンションの1階ですが、繁華街からは少しだけ離れ、落ち着いたお店です。
■「パトゥ(Patous)」
所在地:神戸市中央区中山手通3丁目5‐10サンシャイン中山手1F
TEL:078‐392‐8216
定休日:火曜日
営業時間:11:30~14:00
       18:00~21:00
交通・アクセス:各線元町駅から徒歩7分
地図:Yahoo!地図情報
HP:パトゥ

『パトゥ』のランチメニュー記事はこちら

近くのお店:「ルセット(神戸 三宮・フレンチ)

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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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